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ハリル突然対話路線 対アジア3戦勝ちなしで戸惑い

[ 2015年8月7日 08:20 ]

練習前に熱弁を振るうハリルホジッチ監督

東アジア杯男子 日本―中国

(8月9日 中国・武漢)
 東アジア杯に出場中のハリルジャパンは引き分けに終わり優勝を逃した韓国戦から一夜明けた6日、武漢市内で調整した。練習後にはバヒド・ハリルホジッチ監督(63)の腹心であるジャッキー・ボヌべー・コーチ(54)が、守備陣を交えて約40分間ピッチ上で話し合い、選手側の意見を求めた。初勝利が求められる中国戦(9日、武漢)へ向けて、ハリルジャパンが一転、“対話路線”へとかじを切った。

 35度を超えるしゃく熱のピッチで、初めての光景が繰り広げられた。車座になっての話し合い。韓国戦で先発したDF槙野、森重、遠藤、太田の最終ラインの4人にGK西川にMF柴崎も加わった。その中心にはボヌべー・コーチ。膝をつき合わせて約40分間、韓国戦に先発しなかったメンバーの練習が終わるまで、長時間の意見交換が続いた。槙野は「スタッフの意見と選手の意見が合致するように。前向きな話し合いができました。(首脳陣が選手からの)“フィードバックがほしい”ということでした」と、主に守備面について腹を割った話し合いだったことを明かした。

 ハリルホジッチ監督は“サブ組”の練習に付きっきりだったため輪には入らなかった。しかし、選手の意見はボヌべー・コーチが編集するミーティング用の映像にも反映される見込みで、当然、指揮官にも伝えられる。

 ハリルホジッチ監督はこれまでも選手には意見を出すよう求めてはいた。しかし、実際は、ミーティングでは基本的に自身の方針、考えを一方的に話し、選手が口を挟むタイミングがなかった。また、まずは監督の方針を学び取ろうという選手側の姿勢もあった。しかし、対アジア3試合勝ちがなく今大会で優勝を逃す事態に、指揮官自身が初めて経験するアジアの戦いに戸惑いを覚えたのは想像に難くない。そこで、浮上の糸口をつかむべく自ら歩み寄り、対話路線に切り替えた格好だ。

 もちろん中国戦で結果を出すためにという気持ちはチーム全体で一致している。指揮官は練習開始前の円陣で「あと1試合。絶対に勝ちたい」と選手に訴えかけた。引き分け以下で過去5大会で最悪の最下位となる一戦。聞く耳を持ったハリルホジッチ監督は、東欧の名将にふさわしい采配を振ることができるか。

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2015年8月7日のニュース