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ハリル監督 韓国戦ドローでV滅も居直った「満足すべき」

[ 2015年8月6日 05:30 ]

<日本・韓国>後半、追加点を奪えぬプレーを見ながら、足元にあったものを蹴飛ばすハリルホジッチ監督

 東アジア杯連覇を目指す日本代表は5日、韓国代表との第2戦で1―1と引き分けた。1分け1敗の勝ち点1となり、中国との最終戦(9日)を前に優勝の可能性が消えた。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は就任5戦目で初黒星を喫した初戦から先発5人を入れ替えるなどテコ入れしたが、永遠のライバルを上回ることはできなかった。

【試合結果 東アジア杯順位表 日本代表メンバー】

 最終戦を待たずに連覇は夢と消えた。6月のW杯アジア2次予選シンガポール戦から対アジアで3試合勝ちなし。実に8年ぶりの屈辱だが、ハリルホジッチ監督は会見中に時折、うっすらと笑みすら浮かべた。

 「守備面で強さを見せられたんじゃないか。この大会で一番強い相手(韓国)に引き分けに持ち込んだ。少し満足するべき。我々よりもかなりオートマチック(連動性)、準備が進んだチーム。良い状態で来たチームと、このように戦えた選手を評価したい」

 宿敵・韓国には前回の東アジア杯を含めて最近2連勝中だった。それなのに、まるで相手がかなりの格上で、負けなかったことが手柄だと言わんばかりだった。

 敗れた初戦の北朝鮮戦の反省を生かし、体力の消耗を避けた。先発を5人入れ替え、今回が初招集の倉田、藤田をデビューさせるなどフレッシュな選手を起用。前線から相手ボールを奪いに行かず、ブロックを敷いて守備的に試合を進めた。少ない決定機に懸けたためシュート数の5―10は、ある意味でプラン通り。

 「疲労でハイプレスをかけるのは不可能だった。リアリストにならないと結果は出ません。(守備的な戦術は)少し恥ずかしい面があったかもしれない。ただ今の段階では満足すべきだと思う」

 現実的な戦術を採用し、なりふり構わず勝利をつかみにいった。ただ、結果が伴わなかったにもかかわらず指揮官は「満足」という言葉で片付け、「(武漢入りして)1日しか準備期間がなかった。トレーニングができなかった」と、いつもの言い訳も忘れなかった。

 次戦は中3日で中国戦を迎える。最終戦へ向けてハリルホジッチ監督は「3試合目にしっかりトライして、勝利を探しに行こうと思います」と話した。対アジア4試合勝ちなしとなれば、9月から再開するW杯アジア2次予選にも暗い影を落とすことになる。さらには指揮官自身の手腕を問う声が上がっても何ら不思議ではない。優勝の可能性は消滅したが、ただの消化試合ではなくなった。

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