英裁判所　差別行為の４人に３～５年間の観戦禁止処分

　今年２月、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの試合前に、パリの地下鉄で黒人男性が人種差別的な言動を受けた事件で、英南部ストラトフォードの裁判所は２２日、差別に関わったとして英国人男性４人に３～５年間、国内外でのサッカー観戦禁止処分を言い渡した。英ＢＢＣ放送などが報じた。

　事件は、パリ・サンジェルマン（フランス）―チェルシー（イングランド）の対戦前に駅構内で発生。チェルシーファンらが列車に乗り込もうとした黒人男性に対し「われわれは人種差別主義者だ」と大声で騒ぎながら、繰り返しホームに押し出す場面の動画がネット上で公開された。

　処分を受けた１人は元警官で、男性を押し出した行為を問われたが、裁判所の審理では「混んだ列車内で自分の領域を守ろうとしただけ」と供述。別の男性は「差別の歌を声にしてはおらず、口をパクパクさせただけだ」と主張したが、いずれも人種差別行為と認定された。（共同）