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クロスバーも味方に 4年前の経験生きたイングランド戦初勝利

[ 2015年7月2日 13:00 ]

イングランドを下して決勝進出を果たし、喜び合うなでしこジャパンの選手たち(AP)

女子W杯カナダ大会準決勝 日本2―1イングランド

(7月1日 エドモントン)
 なでしこジャパンが1次リーグから無傷の6連勝でついに2大会連続の決勝進出を決めた。前半にお互いPKで1点ずつを決め、1―1で迎えた後半ロスタイムにMF川澄奈穂美(29=INAC神戸)の右クロスがオウンゴールを誘発して劇的な決勝点。かつて代表MFとして2度のW杯に出場した小林弥生さん(33=日テレ・ベレーザ育成組織アシスタントコーチ)にイングランド戦について聞いた。

 まずはなでしこOGとして「良かった!すごい!もう大興奮でした」と素直に勝利を喜んだ小林さん。試合開始直後にいきなりシュートを浴びるなど不安定な立ち上がりとなった日本だが、「試合の入りは厳しかったが、サイドチェンジや多くの選手が関わったパスでボールを保持する時間が増えて試合に入ることができた」と振り返った。

 イングランドとの対戦成績は試合前まで2分け2敗。前線に向けて次々とロングボールを蹴って来るイングランドのスタイルに対応するために日本はボランチまで下がらざるを得ず、これまで苦戦が続いてきた。4年前の11年ドイツ大会では1次リーグ第3戦で敗れ、唯一の黒星を喫した相手がイングランド。だが、その時の経験が今回に生きたと小林さんはいう。「同点にされても慌てず、相手の徹底したロングボールに対応できていた。皆の決勝にいきたい気持ちが最後のオウンゴールにつながった。相手のミドルシュートやクロスがクロスバーを叩いたが、そこで入らないのは日本が勝負運を持っているということ」と指摘した。

 ◆小林 弥生(こばやし・やよい)1981年(昭56)9月18日生まれ、東京都多摩市出身の33歳。ボランチからFWまでこなす万能型選手として日テレ・ベレーザひと筋にプレー。3度の大怪我を乗り越え、2000年に最多得点に輝くなどなでしこリーグ通算223試合に出場し、51得点をマーク。8度のリーグ優勝、7度の全日本女子選手権大会優勝など数多くのタイトル獲得に貢献した。女子日本代表としても1999年、2003年と2度のW杯と04年のアテネ五輪に出場し、国際Aマッチ通算54試合12得点。惜しまれつつ昨季限りで18年間の現役生活に終止符を打った。現在は日テレ・ベレーザの育成組織アシスタントコーチと、日本サッカー協会が主催する「こころのプロジェクト 夢の教室(ユメセン)」でスペシャルスタッフを務める。

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2015年7月2日のニュース