×

カズ“岩渕VTR弾” 劇的ゴールTV観戦で刺激、最年長記録更新

[ 2015年6月29日 05:30 ]

<水戸・横浜FC>勝利に導くゴールを決めカズダンスを披露

 J2第20節は28日、10試合が行われ、右太腿痛から11戦ぶりの復帰となった横浜FCのFW三浦知良(48)がアウェーの水戸戦に後半33分から途中出場、同ロスタイムに決勝点を決めチームを1―0の勝利に導いた。4月19日の長崎戦以来となる今季3得点目で自身のJリーグ最年長得点記録を48歳4カ月2日に更新しカズダンスも披露。年間3得点は10年以来5年ぶりとなった。

【試合結果 J2順位表】

 これがカズだ。勝負強さは圧巻だ。0―0で迎えた後半ロスタイム。小野瀬がミドルシュートを放った瞬間、猛然とゴール前に詰めていた。こぼれ球に反応する。瞬時に相手GKの動きを読む。「そのまま打ったらGKに当たると思った。少しタイミングをずらしてチップ気味にね」。左足に技術を凝縮させ、技ありの決勝弾を決めた。

 土壇場の一撃。脳裏によぎるものがあった。この日の早朝5時、トイレのため、一度目が覚めた。テレビをつけ、なでしこジャパンのオーストラリア戦を見た。カズ自身も水戸戦を控えていたため一度はベッドに戻ったが、やはり気になって後半を見た。劇的ゴールは後半42分、こぼれ球に反応した岩渕だ。「刺激になるね」。この日のカズ弾は酷似していた。

 右太腿痛によるブランクは約2カ月。その間、11日には日本―イラク戦を観戦した。君が代斉唱も共に歌った。試合が始まると、すぐに選手の目線になった。「岡崎選手のDFライン裏への動きだしとか、参考に見てました」。マインツからレスター移籍を決めた岡崎の動きは日本人FWの手本という。19歳年下の動きを追った。48歳にしてなお、向上心の塊なのだ。

 今季3度目のカズダンスは、敵地のカクテル光線を浴びた。今季、過去2回は勝利に縁がなく、さすがのカズも封印を示唆していた。だから「最初はやるつもりはなかったんだけどね。主将(寺田)がカズダンス、カズダンスって言うんでね」と笑う。結果的に敵地のホームスタンドまで華麗なステップで沸かせてしまうのは、カズがカズたるゆえんか。キングが鮮やかな復活を遂げた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月29日のニュース