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なでしこに“試練の酷暑”しゃく熱ピッチ&今大会初のデーゲーム

[ 2015年6月26日 05:30 ]

エドモントン入りする澤(中央)らなでしこイレブン

 W杯カナダ大会で連覇に挑むなでしこジャパンは24日(日本時間25日)、バンクーバーから空路でエドモントンへ移動した。27日(同28日)のオーストラリアとの準々決勝と準決勝が行われる決戦の地は、夏季には強烈な日差しが照りつけるカナダ有数の乾燥気候。今大会5戦目で初のデーゲームをこなすなでしこは、しゃく熱ピッチでの消耗戦を強いられることになり、佐々木則夫監督(57)は中3日での対応を迫られた。

【なでしこジャパンメンバー 女子W杯決勝T】

 エドモントン空港に到着したなでしこに、新たな“敵”が待ち構えていた。バンクーバーよりも、はるかに強烈な日差しが照りつける。予想外の気候への対応について、佐々木監督は「少し様子を見ながら準備していきたい」と、まぶしそうな表情で話すにとどめた。

 次なる連覇への試練は、過酷な消耗戦だった。4強を懸けて戦う準々決勝は、なでしこにとって初のデーゲーム。屋内競技場で行われたバンクーバーでの3戦は全て午後7時、ウィニペグのカメルーン戦も午後4時開始だった。次戦は午後2時キックオフ。試合当日の27日の予報では30度超えとなっており、熱を吸い込まない人工芝はさながらしゃく熱となる。今年3月のアルガルベ杯では午後2時開始のデンマーク、フランス戦にいずれも黒星。デーゲームにいい印象はない。

 プレーへの影響は免れない。今大会は試合前とハーフタイムに人工芝へ散水がなされるが、強烈な日光が水をすぐに蒸発させる。水を含むピッチはボールが走り、パスワークで崩すなでしこには有利なはずだった。「日本はピッチが重い時にボールを動かす筋力がない。より走りやすいピッチにしてほしい」と指揮官も話していたが、そのメリットは消えそうな状況だ。シンプルに放り込む展開となれば、平均身長で2・8センチ劣る日本が劣勢を強いられる。

 オーストラリアの追い風になる可能性もある。佐々木体制で6勝1分け1敗と好相性の相手は、大会4戦全てを屋外競技場で消化。エドモントンでも1次リーグ第3戦で格上スウェーデンに1―1で引き分けている。高温多湿の日本とは180度違う夏の乾燥気候も母国と似通っており、デーゲームの影響は少ない。

 昨年10月のカナダ遠征で決戦の地に訪れたなでしこだが、当時は曇り空での冬の試合。予行演習も参考にならないが、「1試合ずつ大きくなっていくチーム、大会にしたい」と主将の宮間は言う。あと3勝。連覇を狙うなでしこのエドモントン・ラウンドが始まった。

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