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興梠 呪縛解いた!浦和M1弾 次戦20日 勝って決める

[ 2015年6月8日 05:30 ]

<浦和・清水>昨年、無観客試合だったホームの清水戦で、後半7分、ゴールを決めた浦和・興梠(左から2人目)はサポーターを背に喜ぶ

J1第1S第15節  浦和1―0清水

(6月7日 埼玉)
 首位独走の浦和が清水に1―0で勝利し、第1ステージ優勝まで“マジック1”とした。0―0の後半7分、FW興梠慎三(28)が左足で豪快な決勝ゴールを決めた。J1記録の開幕からの連続不敗は15試合に更新。G大阪が神戸と0―0で引き分けたため、優勝は持ち越しとなったが、残り3試合のG大阪との勝ち点差は9に広がった。次節20日のアウェー神戸戦では引き分け以上で自力での優勝が決まる。
【試合結果 順位表】

 赤い閃光(せんこう)が走った。後半7分、ゴール前でこぼれ球を拾った興梠がゴール前のエリアを完全に支配した。「2、3人のDFがいて1人がスライディングするのが見えた」。右のキックフェイントでかわし次に左足のシュート体勢に入る。「相手DF2人の間、そこにサイドネットが見えた」。左足一閃。次の瞬間、イメージ通りの一撃が相手サイドネットを揺らした。

 左胸のエンブレムを叩いて声援に応えた興梠は、呪縛から解き放たれた。世紀の大失速で優勝を逃した昨季、この日と同じ“残り3戦”で迎えた11月22日のG大阪戦(0―2)で敗れ、歯車が狂った。しかも右すねの骨折が完治しないまま強行出場した興梠は、患部を悪化させる最悪の事態。残り2戦、失速していく浦和の力になれなかった。今季本拠での初ゴールは胸に刺さっていた小さなトゲが抜ける思いだった。

 第1ステージの優勝までマジック1。だが興梠の表情は複雑なままだ。「年間優勝したい。第1ステージは通過点というか」。07~09年には鹿島でリーグ3連覇を経験しているだけに「最後の1週間は緊張で眠れない緊張感があった。それに比べると…」。これぞ勝者のメンタリティー。この心意気が浦和を支えている。

 開幕からの連続不敗は15戦に伸びた。ペトロヴィッチ監督は「第1ステージはほぼ手中に収めた」と言ったように、次節の神戸戦で引き分け以上、もしくは唯一優勝の可能性を残しているG大阪が引き分け以下なら優勝が決まる。来日10年目の指揮官の初タイトルは目前だ。

 第1ステージ優勝の先には11月開幕のチャンピオンシップ制覇、12月のクラブW杯(ヤンマー、日産ス)出場を見据える。この日はバルセロナが欧州CLで優勝し早々にクラブW杯出場を決めた。DF槙野は「12月、あの前の3枚(メッシ、ネイマール、スアレス)を抑えるべく…ま、まだ早いですね。まずは20日、気持ちよく(神戸から)新幹線で帰って来たい」と言った。もう第1ステージ優勝は確信した。赤い悪魔の夢はその先まで大きく広がっている。

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