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FC東京 武藤のマインツへ移籍を発表「全身全霊で頑張ります」

[ 2015年5月30日 21:04 ]

<FC東京・柏>前半32分、三田のゴールに喜ぶFC東京・武藤

J1第1S第14節 FC東京2―1柏

(5月30日 味スタ)
 FC東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)が30日のホーム柏戦後、今夏にドイツ1部マインツへ移籍することが発表された。1-1の後半23分に自ら奪ったPKをきっちり決め、チームを2-1勝利に導くと、試合後、電光掲示板で「武藤嘉紀選手 1.FSVマインツ05(ドイツ・ブンデスリーガ1部)」と発表された。

 完全移籍で、移籍金は300万ユーロ(約4億800万円)で、契約は2018年までの3年。年俸はプロ2年目としては破格となる推定100万(1億3400万円)という。イングランド・プレミアリーグの名門チェルシーに続き正式オファーを出したマインツは、日本代表にも定着した武藤の実力を高く評価。ハイデルGMが4月末に強行日程で来日し、破格の条件提示と即戦力の高い評価を与えるなど獲得への本気度を示していたが、その意気込みが破格の数字にも表れた形だ。

 また、試合後には東京FCの公式HPでも発表。武藤の「プレーを通して感謝の気持ちが伝えられるように、全身全霊で頑張ります」というコメントも発表している。

 2月にマインツのユースから内部昇格し、来季の続投が決定的なシュミット監督も武藤を来季の即戦力として、主軸に据える構えという。マインツは堅守速攻が基本戦術。守備中心に速攻を仕掛けるFC東京のスタイルと似ており、武藤もすぐになじめる可能性が高い。

 武藤は慶大3年生の昨季、大学サッカー部を辞めてユースまで所属していたFC東京とプロ契約。その年に就任したイタリア人のフィッカデンティ監督のもと、開幕から定位 置を奪取し、ザックジャパンが惨敗に終わった14年W杯ブラジル大会後に一気にブレー ク。アギーレ前日本代表監督のもとでA代表に初招集され、昨年9月9日のベネズエラ戦 ではアギーレジャパン1号弾を決めた。

 Jリーグでも終わってみれば新人最多タイとなる13得点。ベスト11にも選出され、国内で持ちわびたスターの階段を一気に駆け上がった。

 武藤は6月27日のJ1ファーストステージ終了後に渡独し、メディカルチェックを 経て正式契約を結ぶ。プロ1年目の昨季日本サッカー界を席巻した若きスターはドイツから目標の18年W杯ロシア大会を目指す。

 ◆武藤嘉紀(むとう・よしのり)1992年(平4)7月15日、東京都世田谷区生まれの22歳。4歳でサッカーを始め、05年にFC東京の下部組織入り。ユースまでプレーし、トップ昇格せず11年に慶大に進学。12年にFC東京の特別指定選手となり、13年7月6日の広島戦でJデビュー。慶大サッカー部を退部し、昨季からプロ契約。日本代表にはアギーレジャパンで初招集され、昨年9月9日のベネズエラ戦でアギーレジャパン1号弾となる初得点。日本代表は11試合1得点。1メートル79、72キロ。利き足は右。

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