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柏救った!20歳小林 プロ初ゴールでACL8強進出

[ 2015年5月27日 05:30 ]

<柏・水原>後半、ゴールを決め工藤(左)と喜びを爆発させる柏・小林

 ACL決勝トーナメント1回戦第2戦が各地で行われ、柏はホームで水原(韓国)と対戦。1―2で敗れて2戦合計4―4となったが、アウェーゴールで上回り、13年以来の8強進出を果たした。0―2の後半20分にMF小林祐介(20)が“決勝弾”となるプロ初得点を記録し、Jリーグ勢としても2年ぶりに16強の壁を突破。準々決勝の組み合わせは6月18日に決まる。

【試合結果 ACL決勝トーナメント】

 無心でボールに食らいついた。0―2の後半20分、小林がレアンドロのシュートのこぼれ球に反応。右足ハーフボレーで豪快にネットを揺らした。「いい所にボールが来たので何も考えずに振り抜いた」。アウェーの第1戦に3―2で先勝したリードをひっくり返されていた状況で、20歳の新鋭がチームを救った。

 下部組織出身のプロ3年目。1年目はチームがACLに出場していたが、一度もベンチに入ることができず「アジアで戦いたい」との思いを募らせた。2年目の昨季も定位置を獲得することはできず、U―22選抜としてJ3リーグに出場。「自分のイメージでは最初からもっと試合に出られると考えていた」。苦しみながら徐々に階段を上がってきた。

 吉田監督にとって小林は下部組織監督時代の教え子でもある。ユース監督時代には一緒に米国やブラジルなど海外遠征して国際大会に出場。過去の国際経験がアジア舞台で生きた形で「セカンドボールの位置を予測する力は経験ある選手に見劣りしない。大舞台でも自分のやるべきことをできるファイター気質」と目を細めた。

 小林は「自分は“持っている”とよく言われる」と胸を張ったが「これまでは特に持ってるエピソードはなかった」と苦笑い。プロ初得点が日本勢を2年ぶりに8強に導く一撃となり、正真正銘の“持ってる男”となった。試合2日前の24日に先発を言い渡され、前日25日に気分転換のためパーマをあてた。「自分のゴールで8強に行けたことはうれしい。これからもパーマをあて続けたい」。8、9月に予定される準々決勝の舞台でも、カールさせた髪を振り乱してピッチを走り回る。

 ◇小林 祐介(こばやし・ゆうすけ)1994年(平6)10月23日、埼玉県生まれの20歳。中学から柏の下部組織に在籍。12年にトップチームの試合に出場できる2種登録となり、13年にトップ昇格。プロ1年目の5月10日新潟戦でプロデビュー。U―18、19日本代表経験を持つ。1メートル72、60キロ。利き足は右。血液型B。

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