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ハリル日本 初陣白星!本田も香川も外した新戦力スタメンで独自色

[ 2015年3月28日 05:30 ]

<日本・チュニジア>後半、岡崎のゴールに喜ぶハリルホジッチ監督

 日本代表は27日、大分銀行ドームでチュニジア代表と親善試合を行い、2―0で快勝した。初陣となったバヒド・ハリルホジッチ監督(62)は新戦力を積極的に先発起用する大胆采配を披露。後半途中から投入したFW岡崎慎司(28=マインツ)が先制点、FW本田圭佑(28=ACミラン)が1ゴール1アシストと活躍するなど交代策も的中した。31日にはウズベキスタン代表と親善試合を行う。

【試合結果 メンバー 日程】

 試合後のロッカールーム。初采配を白星で飾ったハリルホジッチ監督は、選手を集めて賛辞の言葉を並べた。「短期間でこれだけ要求に応えてくれて非常にビックリしている。本当にいい試合をしてくれた。満足している」。厳格で規律を重視するため“鬼軍曹”とも呼ばれるが、この日ばかりはFIFAランク25位の強豪に快勝した結果を素直に喜んだ。

 注目の初陣で大胆采配を見せた。新戦力をテストするため、アギーレ前監督のラスト采配となった1月23日のアジア杯準々決勝UAE戦から先発9人を変更。平均年齢は28歳から25・6歳に若返り、国際Aマッチ出場数の平均は64・9から20・8に減少した。先発は試合前夜にポジション別のミーティングを開いて通達。経験不足の選手を勇気づけようと、試合開始の約15分前にはピッチで選手、スタッフを集めて円陣を組み声を張り上げて気合を注入した。主将に指名した長谷部に「若手に積極的に声を掛けてほしい」と頼むなど気遣いも忘れなかった。

 23日から国内合宿を開始し、準備期間は4日。事前練習では球際に強くいく前線からのプレスと、速攻に時間を割いた。守備面は狙い通りにプレスが機能し、許したシュートは2本だけ。一方で攻撃ではボールを奪った後に横や後方へのパスが目立った。指揮官は「リスクを負いながら前で奪う守備ができた」と評価した上で「ボールを奪った後に短いパスを使いすぎ。もっと長いパスを狙う必要がある」と課題を指摘。試合中は縦方向へのボールが少なくいら立つシーンもあった。

 新戦力テストだけでなく、勝負にもこだわった。0―0の後半15分には本田、香川を同時投入。27分には岡崎、宇佐美をピッチに送り出した。6分後に岡崎のヘディング弾で先制すると、さらに5分後には本田がダメ押し弾を決めて采配は的中。予告通り交代枠6を使い切り、結果も出した。

 合宿に招集した全29選手を起用するため、31日のウズベキスタン戦では再び先発を総入れ替えする可能性も示唆。「競争をつくることができた。合理的な変化をもたらすことができたし、この勝利は大きな一歩。このチームはもっと伸びる。私は道を見せることができた。国民の皆さんにとっても良い道になると思う」と前を向いた。テストと結果を両立させた実り多い船出。お辞儀をして会見場を後にする姿からは、早くもサムライブルーを率いる風格が漂っていた。

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