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興梠 あっ晴れヘッド!鼻陥没も…3連敗のうっぷん晴らした

[ 2015年3月8日 05:30 ]

<湘南・浦和>前半、浦和・興梠はヘディングでゴールを決める。その後GK・秋元のパンチが入る

J1第1節 浦和3―1湘南

(3月7日 BMWス)
 魂のヘディング弾だ。0―1で迎えた前半41分、ゴール前の浦和FW興梠が体を投げ出した。宇賀神の放ったFKに頭で合わせ、相手ゴールに叩き込む。「泥くさいゴール。でも前半で追いつけて良かった」。が、次の瞬間、顔面、そして首に激痛が走った。相手GKの全体重を乗せたパンチングが鼻先に突き刺さったのだ。浦和の劇的な逆転劇への序章となった一撃。だが、代償も小さくなかった。

 試合後、興梠の鼻の右上周辺は痛々しく陥没していた。「もう首が回らない。鼻も折れてます。陥没してるでしょ」と衝撃の告白が飛び出した。実は4日のACLブリスベン戦で首を負傷。「ムチ打ちの状態で相手選手が触れるだけで激痛が走った」。ヘディング弾を決めたと同時に症状は悪化。もはや限界と判断し、前半で交代を申し出た。

 首痛を抱えながら興梠を開幕戦のピッチに向かわせたのは、エースの覚悟だった。「FWが2人もケガしてたし…」。浦和は2月25日のACL水原戦から8日間で3試合を戦った。激闘の影響でズラタン、柏木、李が故障、疲労などで離脱。昨年10月に右腓骨(ひこつ)を骨折し、優勝争いで力になれなかった悔しさを残す興梠は首の痛みをひた隠し、ピッチに立った。

 興梠の魂は眠れる赤い悪魔を目覚めさせた。後半は今季の公式戦3連敗がうそのように湘南ゴールを襲い、逆転に成功。3連敗後、サポーターから浴びせられたブーイングは喝采に変わった。「何より勝てて良かった。次はきれいなゴールを決めたい。早くムチ打ち状態を治して、ね」と興梠。オフに11人もの即戦力を大量補強した浦和。前線のタレントも豊富だが、やはりエースは興梠だ。そう思わせるにふさわしい一撃となった。

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2015年3月8日のニュース