【Ｊ１注目株】鳥栖・鎌田　ビッグマウスもそっくり「本田の道」歩む新人

鳥栖の鎌田大地

　鳥栖のＭＦ鎌田大地は全国的にはまだ無名の１８歳だが、練習試合や沖縄県読谷村でのキャンプでアピールを続けてきた。「プロは高校と全然レベルが違うけど、最初より絶対に良くなっている。練習していく中で“きょうもうまくなった”という実感がある」。高卒ルーキーながら開幕戦出場も狙える位置につけている。

　Ｇ大阪ジュニアユース出身で足元のテクニックは確か。ボールタッチは柔らかく、キープ力も高い。決定力とパスセンスもあり、沖縄では１月３１日の沖縄国際大戦で１得点２アシスト、２月４日のＪ３琉球戦でも１得点と活躍した。「１年目から出ないと駄目。自分が見てるのはもっと上。海外でやりたいし、代表を背負って戦いたい」。Ｇ大阪のユース昇格を逃して高校、卒業即プロと進んだのは本田圭佑（ＡＣミラン）と同じで、ビッグマウスもそっくりだ。

　挫折を乗り越えて強くなった。Ｇ大阪ジュニアユースでは中学３年の全国大会前日に腰を痛めてユース昇格を逃した。京都・東山高では１年時に高校選手権予選決勝で決定機を外してしまい「サッカーをやめよう」と思い悩んだという。鳥栖でも沖縄キャンプの終盤に疲れから精彩を欠いたが、帰りの飛行機で席が隣だったＭＦ水沼宏太から激励されて自信も回復。「バリバリ活躍している宏太さんでも１年目は厳しかったと聞いて吹っ切れた」と笑顔が戻った。

　鳥栖では主にボランチだが、高校ではＦＷだっただけに、森下監督からは「練習からこだわってやれ」と得点に絡む働きを期待されている。「１年目からバリバリ出ること。そこにこだわっていきたい」と鎌田。強気なルーキーの名前を覚えておいて損はない。

　◆鎌田　大地（かまだ・だいち）１９９６年（平８）８月５日生まれ、愛媛県出身の１８歳。小学１年でサッカーを始め、中学時代はＧ大阪のジュニアユースに所属。京都・東山高では１年時に全国高校総体に出場したが、１回戦で敗退。利き足は右。１メートル８０、７２キロ。