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ラウドルップ氏に違約金設定なし 獲得資金はクラブ“言い値”

[ 2015年2月11日 05:30 ]

日本代表監督候補に名前が挙がったラウドルップ氏

 次期日本代表監督の最有力候補に挙がる元デンマーク代表のミカエル・ラウドルップ氏(50=カタール1部ラフウィヤ監督)の違約金が設定されていないことが10日、分かった。ラフウィヤとの契約を6月まで残しており“引き抜き”には違約金が必要だが、契約事項に途中退任時の条項が盛り込まれておらず、獲得資金はクラブとの交渉次第で大きく変化することになる。

 ラウドルップ氏とラフウィヤの契約内容の一端が明らかになった。カタールに太いパイプを持つ関係者が「ラウドルップ氏の年俸は250万ドル(約2億9800万円)程度だが、契約に違約金の設定はない。だから違約金はクラブの要求した額になる」と明かした。

 違約金とは契約に定めた事項に違反した者が相手方に支払う制裁金。ラウドルップ氏とラフウィヤは昨年6月に1年契約を締結しており、期間を満了せずにクラブを離れれば違約金が発生する。日本協会が“引き抜き”を敢行するには、これを肩代わりする必要があり、違約金の額がラウドルップ氏招へいの最大のポイントとなる。

 日本協会は次の国際Aマッチとなる3月27日の親善試合チュニジア戦(大分)までの新監督決定を目指している。ラウドルップ氏が2月末でラフウィヤ監督を退任した場合、残りの契約期間は4カ月。違約金は「年俸×残り契約年数」に設定されていることが多く、通常なら年俸の3分の1の83万ドル(約1億円)程度になるが、契約条項に盛り込まれていないため、クラブ側の“言い値”になる公算が大きい。

 ラフウィヤはカタールリーグ首位を走るだけに、ラウドルップ氏を手放したくないのが現状で、違約金を青天井に引き上げることも考えられる。一方でラウドルップ氏とクラブの信頼関係次第では、日本代表監督就任に前向きな指揮官の意向をくみ、低額に抑えられる可能性も残す。既に霜田技術委員長が日本を離れて調査を含めた下交渉を開始。日本協会とラフウィヤの違約金をめぐる攻防が、18年W杯ロシア大会を目指す日本代表の行方を大きく左右することになる。

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2015年2月11日のニュース