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采配的中も…アギーレ監督“終戦”今大会限りの解任決定的

[ 2015年1月24日 05:30 ]

PKを外した本田(手前)を見つめるアギーレ監督

アジア杯準々決勝 日本1―1UAE(PK4―5)

(1月23日 シドニー)
 終戦を告げる笛が鳴ると、アギーレ監督は敵将、第4審判と握手を交わしてピッチへ歩き出した。エース本田のもとへ行くと、ねぎらいの言葉を掛けてガッチリ握手。PK戦中は控え組の選手らと肩を組み一喜一憂したが、試合後は穏やかな表情を浮かべた。

 「私はチームを誇りに思う。PK戦は運の要素も入る。勝利に値するのは我々だった」
 采配はさえていた。前半7分、縦パス1本で崩されて失点。強烈な先制パンチを浴びたが、積極的な交代策で流れを引き戻した。後半開始から乾に代え、武藤を投入。後半9分に柴崎、後半20分には豊田をピッチに送り出した。

 その柴崎が後半36分に右足で同点弾。早々と交代枠を使い切ったため、延長前半に長友が負傷するアクシデントに対応できなかったが、一度は試合を振り出しに戻した手腕は光った。大会を通して采配は的中。普段から積極的にサブ組に声を掛けるなど細かい気配りの成果だった。

 一方で、昨年末の合宿から練習を繰り返したクロスからのゴールは奪えなかった。ボール支配率68・1%と内容で圧倒したとはいえ、35本のシュートで得点はわずか1。96年UAE大会以来5大会ぶりに4強を逃した事実に変わりはない。外国人指揮官としては過去最低の成績となった。

 八百長疑惑の渦中にいる指揮官に対する告発が、バレンシア裁判所に受理されており、今大会限りの解任は決定的。UAE戦を視察した大仁会長は「進退は技術委員会が分析する。受理の確認が取れていないので説明の必要はない」とし「続投か?」との質問には「そうですね」と力ない言葉で目を泳がせた。

 受理の確認が取れ次第、決断が下される見通し。霜田技術委員長は「あす(24日)話します」とだけ話し足早に会場を去った。関係者によると、後任候補にはG大阪の長谷川健太監督、名古屋の西野朗監督、前名古屋監督のストイコビッチ氏らの名前が挙がっている。「本日見せた戦いを今後も続けていかないといけない」。試合後の公式会見でアギーレ監督の残した言葉が会見場にむなしく響いた。

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