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3戦全勝1位突破!香川“復活”228日ぶりゴールで雄叫び

[ 2015年1月21日 05:30 ]

<日本・ヨルダン>後半、ゴールを決め喜ぶ香川

 香川が復活ののろしを上げた。日本代表は20日、オーストラリア・メルボルンでアジア杯1次リーグ最終戦でヨルダンを2―0で下し、D組1位通過で決勝トーナメント進出を決めた。後半37分にはMF香川真司(25=ドルトムント)が国際Aマッチ9試合ぶりとなるゴール。貴重な追加点で相手を突き放し自身のスランプ脱出も印象づけた。3戦全勝での1次リーグ突破は96年UAE大会以来となる5大会ぶり2度目。準々決勝はC組2位通過のUAEと23日に対戦することになった。

 待ち望んだ瞬間が訪れた。1―0で迎えた後半37分、カウンターから左サイドを抜け出したFW武藤がグラウンダーのクロスを入れると、中央の狭いスペースに飛び込んできたのが香川だ。「タイミングも合ったし、うまく武藤が見てくれていた」。右足で合わせたシュートはGKに当たってゴールへと吸い込まれる。自身にとって、14年6月6日の親善試合ザンビア戦以来となる9試合ぶりのゴール。実に228日ぶりの一撃でヨルダンを突き放し、3連勝での1次リーグ1位突破を確定させた。

 誰もが復活を待っていた。ゴール直後に武藤へと跳び上がって抱きついた背番号10に、ピッチで戦う選手全員が駆け寄っていく。ゴールマウスを守るGK川島までも100メートル近い距離を猛ダッシュし満面の笑みでやってきた。「みんなが凄く喜んでくれてうれしかった。チームメートがあっての自分だということを再認識した」。ピッチに立ってスタンドを見渡せば自分を応援する横断幕が目に飛び込んできた。「応援してくれるからこそ戦えるし、励まされる」。周囲への感謝が言葉からにじみ出た。

 苦悩があった。1次リーグ敗退に終わったW杯ブラジル大会後。日本代表仲間らと日本で食事会を開いた際、いつもは陽気なはずの香川が珍しく弱音をこぼしたという。それほどまでに全てを懸けていた大舞台。香川の狂った歯車はなかなか戻らなかった。所属するドルトムントでも不調が続いた。加えて新たに日本代表を指揮したアギーレ監督から守備の負担も大きいインサイドハーフを任された。「ゴールを取れない悔しさはあった。ナーバスにはなっていなかったけど結果で証明しないといけない世界。チームの結果と個人(のプレー)が比例するのが良いことなんで」。それでも、前を向き続けた。それは周囲の支えがあったからだ。チームメートのサポートに加え、尊敬するカズからは17日のチャリティーマッチの際に「ここからが本当の勝負」とのエールを送られた。アギーレ体制での初得点は自らの存在価値をそして周囲への感謝の気持ちを示すゴールでもあった。

 ただ、指揮官は香川に対してさらなる期待を寄せており「今の仕事はアシストがメーンだが、もっとペナルティーエリアに入ってプレーしてほしいと要求している」と明かした。本人も、その自覚は十分だ。「まだまだミスが多い。これからは負けられない戦いが続く」。準々決勝は23日にUAEと戦うことが決定。背番号10の復活とともに日本代表が連覇へと加速する。

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