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2人目の東大出身Jリーガー誕生!MF添田 J3藤枝に入団

[ 2015年1月7日 06:15 ]

東大出身で2人目のJリーガー添田(左)は会見に臨み活躍を誓った

 2人目の東大出身Jリーガーが誕生した。J3藤枝は6日、東大MF添田隆司(21=経済学部4年)の加入を発表した。クラブの運営会社で契約社員として働きながら、アマチュア登録でプレーする。J2岡山のFW久木田紳吾(26)に続く赤門出身Jリーガーは、同じく一流企業の内定を受けながらプロ野球・ロッテにドラフト2位で入団した田中英祐投手(22)の存在も励みに、一日も早いJデビューを目指す。

 新たな挑戦への覚悟は、より強くなった。ホームスタジアムとなる藤枝総合運動公園での新加入発表会見。藤色のユニホームに袖を通した添田は「今、自分がどこまでやれるのか。サッカーというフィールドでチャレンジしたいという思いが強かった。一刻でも早く戦力になりたい」と決意を示した。

 元日本代表で東京Vなどで活躍した東大の前ヘッドコーチの林健太郎氏(42)が、藤枝の大石篤人ヘッドコーチ(38)と駒大の先輩後輩だった縁もあり、昨年12月9日に藤枝の練習に参加。全国的には無名の存在ながら、持ち味の豊富な運動量を生かした動きが「中盤のどのポジションにも対応できる」(大石ヘッドコーチ)と高い評価を得た。クラブの小山淳代表(38)は昨季11位からの躍進に向け、インテリジェンスに加え東大で主将を務めるなどのリーダーシップにも着目。唯一のJクラブへの練習参加がオファーにつながった。

 大学卒業後もプレーを続ける希望を持っていただけに願ってもない話のはずだが、将来の目標が「立派な人間になること」で「自分の人生にとってサッカーが全てではない」とも考えていた。偶然にも、京大からプロ野球・ロッテ入りする田中と同じ一流商社・三井物産から内定も受けており「フィフティーフィフティーで悩みました」。最終的には「清水の舞台から飛び降りるつもりで」サッカーで勝負する決心を固めた。

 内定辞退を三井物産も理解してくれたという。最初は驚いていた父・毅司さん(53)も本人の意思を尊重してくれた。内定者の懇親会などで顔を合わせた田中にはドラフト指名直後に「頑張ってくれ」と連絡を送った。契約金7000万円、年俸1500万円(ともに推定)でプロの門を叩く「同期」に対し、自身はアマ契約でもあり「成長していかないと試合には出られません」と認識。そろってスポーツ界を沸かせる日が来ることを信じて、迷うことなく道を進んでいく。

 ◆添田 隆司(そえだ・たかし)1993年(平5)3月15日、東京都生まれの21歳。幼稚園年少で横浜バディーFCでサッカーを始める。筑波大付高時代は横河武蔵野ユースでプレーし、全国大会出場。東大文2に現役合格し、東京都大学1部リーグのア式蹴球部(サッカー部)で1年から公式戦出場。4年で東京都リーグ選抜。好きな選手は日本代表FW岡崎慎司。趣味は読書。1メートル70、69キロ。家族は両親と弟。利き足は右。

 ▽J3 14年3月、12クラブで開幕。参戦条件としてJリーグ準加盟、J3ライセンス資格、J3スタジアム要件審査を満たさなければならない。J3ライセンスは総じてJ1、J2ライセンスよりも緩やかな基準で、本拠地の収容人数は原則として5000人、プロ契約選手は3人以上、U―18、15、12などの下部組織を最低1つは保有、またトップチーム監督はJFAのS級ライセンス取得者に限る――など。J2ライセンス保持など昇格条件を満たしているクラブが年間成績1位ならJ2に自動昇格、同2位なら入れ替え戦出場となる。

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