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新オプションは香川ボランチ 八百長疑惑“灰色”のまま15年青写真

[ 2015年1月1日 06:00 ]

ゲーム形式の練習で岡崎(左)と競り合う香川。主力組でボランチの一角に入り質の高い動きを見せた

 アジア杯に出場する日本代表は12月31日、千葉県内で練習を行った。ゲーム形式でMF香川真司(25=ドルトムント)が4―4―2のダブルボランチでテストされた。アギーレジャパンでは主に4―3―3の左インサイドハーフで起用されており、ボランチは初。本職のトップ下からさらに1列下がる位置で起用される可能性が出てきた。スペインリーグで八百長に関与したとして同国検察庁から告発されたハビエル・アギーレ監督(56)をめぐる状況は今後も予断を許さないが、日本サッカーにとって重要な一年が幕を開けた。

 14年最後の練習でサプライズが待っていた。大みそかの午後4時から行われた練習。10対10のゲーム形式で香川が緑のビブスを着た主力組のダブルボランチの一角に入った。システムは基本布陣の4―3―3ではなく、4―4―2。遠藤とコンビを組み、岡崎に鮮やかなスルーパスを通すなど質の高い動きを見せた。

 本職はトップ下だが、アギーレジャパンの定位置は左インサイドハーフ。今回はさらに1列下がる中盤の底で起用され「現状、どこで使われるのかは分からない」と困惑気味だった。かねて「自分は後ろでさばくだけの選手じゃない。攻撃のストロングポイントを失いたくない」と攻撃的位置でのプレーを希望。ボランチでは、ゴールから遠い位置でプレーする回数が増えるだけに、俊敏性を生かした狭いスペースでのターンなど特長が消えかねない。

 一方で現在の代表は本田、清武、乾、武藤、小林ら2列目のタレントは豊富で、香川のボランチ起用にメドが立てば、チームの幅は広がる。アギーレ監督は3―4―3など複数システムを併用する方針を打ち出しており、オプションを増やす一環として背番号10を新たな位置でトライさせた形。遠藤は「早い段階でいろいろテストするのはいいと思う」と語った。

 香川も真っ向からボランチを拒否する姿勢ではない。14年はW杯での惨敗、ドルトムントでの不振など厳しい一年となり、締めくくりに待っていたのが、ボランチ起用。「悔しい思いの方が多かったけど、ポジティブに捉えると良い経験をできた一年。これを乗り越えれば成長できる」と振り返り、ボランチ起用については「監督としっかり話をしたいと思う」と言った。アジア杯連覇を目指すチームのために、新境地挑戦を受け入れる覚悟もある。

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