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日大藤沢のPK職人・小菅 “外させ”“外させ”“止めた”

[ 2015年1月1日 05:30 ]

<日大藤沢・徳島市立>小菅がファインセーブでPKを止め徳島市立に勝利する

第93回全国高校サッカー選手権大会第2日 日大藤沢2―2(PK4―3)徳島市立

(12月31日 ニッパ球)
 読み通りだった。左へ跳んだ2年生GK小菅が6人目のキックを左手で、ゴールポストぎりぎりにはじき、日大藤沢が勝利。PK戦用の秘密兵器の見事な守りだった。

 「相手の体の向きを最後まで見て跳んだ。自分を信じて、中途半端にならないように心掛けた」。後半ロスタイムから出場した殊勲の控えGKはこう振り返る。1点リードしていたが、40分ハーフの後半39分に追いつかれて突然の出番。しかし、後半途中で佐藤監督から「PK戦になったら行くぞ」と言われ、準備はできていた。先攻のPK戦では日大藤沢の3、4番手が失敗し、後から蹴る徳島市立に1本決められれば終わりというところまで追い詰められたが、小菅の本領発揮はここから。なかなか構えず、相手をいら立たせるなどしたたかな動きで揺さぶると、相手の4、5人目が続けて枠を外し、最後は自らが止めた。

 GKになったのは小学校2年の時。既に身長が1メートル60近くあり、少年チームのコーチだった父の勧めだった。今でも「フィールドプレーヤーをやりたいと思うことがある」と明かすが、この日は「GKになって良かった」と心から思ったという。

 今大会の日大藤沢は主力選手が体調を崩して先発から外れるなど初戦から苦戦した。ハーフタイムに選手交代した手続きの不備があり、やり直すために10人になった間に先制された。それでも最後に笑えたのは小菅のおかげ。佐藤監督も「前日の練習で、小菅が調子いいのが分かっていた。雰囲気や立ち姿が相手のシュートを外させたと思う」と2年生GKに全幅の信頼を寄せる。苦しい試合をものにして、一回り強くなった。

 ◆小菅 陸 (こすげ・りく)1997年(平9)8月3日、神奈川県出身の17歳。梶ケ谷FCから川崎チャンプJYを経て日大藤沢に進学。握力は47キロ。好きな選手はロナウジーニョ。1メートル80、66キロ。

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