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流経柏の仕事人FW福井 ラストプレーで同点弾!PK勝利導く

[ 2015年1月1日 05:30 ]

<流通経済大柏・作陽>後半43分、同点ゴールを決めて駆け出す福井(左)

第93回全国高校サッカー選手権大会第2日 流通経大柏3―3(PK8―7)作陽

(12月31日 フクアリ)
 第93回全国高校サッカー選手権大会1回戦15試合が31日に行われ、作陽(岡山)と対戦した流通経大柏(千葉)は1点を追う後半ロスタイムに途中出場のFW福井崇志(3年)が劇的な同点ゴールを決め、3―3からPK戦8―7でチームを勝利に導いた。県大会準々決勝から4戦連発をマークしたスーパーサブの活躍で、07年度大会以来2度目の全国制覇へ発進。日大藤沢(神奈川)は徳島市立(徳島)を2―2からPK戦4―3で破り、PK戦のために途中出場したGK小菅陸(2年)が勝利に貢献した。

 まさに土俵際で、東の横綱が踏ん張った。2―3で迎えた後半ロスタイム、既に時計は表示された3分を回っていた。後半17分にピッチに入った福井は、GKを引きつけた高沢からのパスを中央で受けると、豪快にネットを揺らした。PK戦での勝利につなげる同点弾。ラストワンプレーで流れを強引に引き寄せた伏兵は「ロスタイムは3分あったのでいけると思った。右足で触るだけだったので楽に蹴った」と事もなげに振り返った。

 背番号は「20」をつけるが、侮れない存在だ。千葉県大会の準々決勝から同決勝の市船橋戦まで全て途中出場で3試合連続の決勝ゴール。この試合は劇弾でチームを窮地から救い、最後の8人目のキッカーを務めたPK戦も冷静に押し込んで4試合連続の“決勝ゴール”の達成だ。采配的中の本田監督も「(福井は)4試合連続(得点)なんて、力を持っている」と脱帽するばかりだ。

 こだわりの6ミリカットの丸刈り頭で、00年に高校3冠を達成した国見(長崎)時代のFW大久保(現川崎F)をほうふつさせる。「(本家に)負けないように頑張ります」と話す熱血漢は、県大会直前にFWに転向したばかり。元はセンターバックだったが、昨年8月に右膝内側側副じん帯を損傷して2カ月離脱。故障明けに指揮官にコンバートを勧められ、決断した。「ゴールへの執念はチームで一番」と持ち味を自覚する一方で、全体練習後は30~60分のシュート練習を欠かさない努力家の一面もある。

 「持ちすぎていて“これから入るのかな”と思うくらい」と自らの強運に驚く“最恐”の20番。07年度大会に大前(現清水)らを擁して初優勝した強豪に憧れ、大阪からはるばる門を叩いた。それ以来2度目の頂点に上るために、スーパーサブの出番は必ず訪れる。

 ◆福井 崇志(ふくい・たかし)1996年(平8)7月12日、大阪府出身の18歳。5歳でサッカーを始め、中学時代は大阪府堺市で活動する「RIP ACE FC」に所属。流通経大柏に憧れ、高校から千葉県にサッカー留学。流通経大に進学予定。将来の目標はプロサッカー選手。好きな食べ物はたこ焼き。1メートル76、68キロ。利き足は右。

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