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長谷部“信頼の心”新た…胸響いた「サッカーへの裏切りない」

[ 2014年12月30日 05:30 ]

軽快な動きを見せる長谷部

サッカー日本代表 合宿スタート

 疑念、雑念は胸の奥に仕舞い込んだ。初日の練習を終えると主将の長谷部は言った。「自分たちの“信頼する力”が試されている。お互いが信頼してやっていくことが大事だ」と。アギーレ監督を信じ、プレーだけに全身全霊を注ぎ、指揮官の八百長疑惑という未曽有の事態を乗り切る覚悟だ。

 練習前、メキシコ人監督から直接、事情説明があった。「心の中に入ってくる。そういう話がたくさん聞けた」。中でも長谷部の胸に突き刺さったのは「私はサッカーを愛している。サッカーに対する裏切りはしない」のひと言だ。「同じサッカー人として“サッカーバカ”みたいな部分も通ずる部分がありました」と振り返った。

 ここ数日、サッカー界の話題は国内でも欧州にいてもアギーレ監督の八百長疑惑に関するものばかりだ。来年1月にアジア杯を控え、選手が動揺しないはずがない。だが監督の言葉を耳にし、ミーティング後は表情も変わっていた。「選手の表情を見ても熱いものを感じたと思う。チームが同じ方向を向いていけると思う」と言った。

 むろん、今後、アギーレ監督らへの告発がバレンシア裁判所に受理されれば、予審判事の下で捜査は本格化する。進退問題は避けられず、状況が一変する可能性も残す。長谷部は「選手はピッチでやるしかない。選手からの声があれば、みんなで話していく。できるだけ早い方がいい」と近日中にも選手間ミーティングを実施する意向も示した。ひとまず、心は整えられた――。今、できることは主将自ら“信頼する力”を示し、アジア杯連覇に導くことだ。

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