×

山形下克上!4年ぶりJ1、“昇格請負人”石崎監督就任1年目で

[ 2014年12月8日 05:30 ]

<千葉・山形>試合終了の瞬間、山形・山岸は歓喜のガッツポーズ

J1昇格プレーオフ決勝 山形1―0千葉

(12月7日 味スタ)
 J1昇格プレーオフ決勝は7日、味の素スタジアムで行われ、山形(J2・6位)が千葉(J2・3位)に1―0で競り勝ち、4年ぶりのJ1復帰を決めた。前半37分にFW山崎雅人(33)が決勝弾を記録。就任1年目の石崎信弘監督(56)は06年の柏、11年の札幌に続いて3度目のJ1昇格を達成した。プレーオフ導入3年目。12年の大分(J2・6位)、13年の徳島(J2・4位)の昇格に続き、3年連続でリーグ下位チームが上位を倒す下克上となった。

 味の素スタジアムに駆け付けた約1万人の山形サポーターの前で、石崎監督の体が3度、宙に舞った。J2リーグ6位で昇格プレーオフに滑り込み、下克上を達成。歓喜の胴上げを終えた指揮官は「6位なのに胴上げなんて恥ずかしいね」と照れくさそうに笑った。前半37分に宮阪のクロスを山崎が頭で合わせて先制。シュート6本の少ない好機をものにして、全員守備で逃げ切った。

 過酷な練習で走り勝つチームをつくり上げた。前線からの激しいプレッシングを掲げる石崎監督は昨年12月2日の就任会見直後から全体練習を開始。異例の“年内始動”で走り込み中心のメニューを課した。シーズン中も週2回の2部練習を欠かさず、さらに若手には指名制の特別練習も敢行。9月10日の天皇杯4回戦ではJ1屈指のタフさを誇る鳥栖を延長戦の末に撃破し「鳥栖にも走り負けなかったので自信になった」と確かな手応えを得ていた。プレスが機能した今季リーグの失点は昨季の61から44に激減。千葉戦前は雪で思うような調整ができなかったが、1年間の練習量は裏切らなかった。

 95年に当時JFLの山形で監督のキャリアをスタート。大分、川崎F、清水などの監督を経て今季から16年ぶりに古巣を指揮した。山形駅にクラブの旗が掲げられるなどJFL時代から環境は良くなったが、母体企業を持たないクラブで資金は決して豊富ではない。フロントから「来季の編成が厳しい」との声を聞くと、集客アップのために積極的に地元テレビに出演するなど自ら営業マンも買って出た。

 プレーオフ導入3年目。12年の大分、13年の徳島と過去の昇格クラブは翌年のJ1で断然の最下位で、1年でJ2に逆戻りしている。石崎監督は「来季はさらに厳しい戦いが待っている。まずは来週の天皇杯に全力で臨みたい」と力を込めた。13日にはJ1、ナビスコ杯の2冠を達成したG大阪との天皇杯決勝が待つ。来季ACL出場を懸けたJ1王者との対戦が、15年シーズンの試金石となる。

 ▼モンテディオ山形 1984年に創部された山形日本電気サッカー同好会が前身。90年から93年まで東北社会人サッカーリーグを4連覇、94年にJFL昇格。96年にチーム名をモンテディオ山形へ変更。98年2月に運営法人となる山形県スポーツ振興21世紀協会が設立され、プロクラブ化した。99年の2部制スタートとともにJ2リーグに参加。08年にJ2で2位。09年にJ1に初昇格したが3シーズンでJ2陥落。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月8日のニュース