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アギーレJ結成4カ月で消滅危機…「八百長」起訴なら辞任勧告も

[ 2014年12月3日 05:30 ]

起訴されればアギーレ監督に辞任を勧告する可能性も。左は原専務理事

 スペインリーグの八百長疑惑の渦中にある日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)がスペインの検察当局から起訴、告発されるなどの法的な動きがあった場合には「辞任勧告」を受ける可能性が高まった。日本サッカー協会では現在、情報収集に全力を注いでいる状況だが、最悪の場合はアギーレジャパンが結成からわずか4カ月で消滅する可能性が出てきた。

 アギーレ監督が電撃退任の危機を迎えた。スペインではアギーレ監督もかかわる八百長疑惑に関する報道が過熱。日本協会でも情報収集に全力を注いでいる。この日、取材に応じた原専務理事は「今は全く(状況が)読めない。ただ法的な動きがあれば事情を聴く。協会としても伝えるものは伝え、対応したい」と話した。最悪の場合、辞任勧告は免れそうにない。

 問題は11年5月のレバンテ―サラゴサ戦。アギーレ監督率いる当時のサラゴサ(現2部)が2―1で勝ち、1部残留を決めた一戦で八百長疑惑が浮上。アギーレ監督は試合前日に当時のイグレシアス会長から9万ユーロ(当時約1000万円)のボーナスを受け取ったとされ、その金銭がレバンテ側に渡ったとの報道もある。10月初旬には、地元検察庁による関係者への聴取が始まった。

 日本を拠点としていたアギーレ監督が事情聴取を受けることはなかったが、起訴、告発など法的な動きが生じた場合、裁判に出廷義務が出てくる。長距離移動しながら日本代表の監督として職務を続けることは極めて困難。八百長関与が認められた場合はFIFAから指導者ライセンスを剥奪される可能性もある。指揮官の母国メキシコ各紙でも「最低でも職務停止処分が科される」と報道されるなど厳しい処分が予想される。

 現在、欧州を視察中のアギーレ監督は4日に再来日の予定。スペイン紙マルカでは「12月の1日か2日にも起訴」と報じられたが、日本とスペインでは司法制度そのものが異なり、現段階ではレバンテ―サラゴサ戦に関わった選手、監督、クラブ幹部のほぼ全員の名が疑惑の対象として挙がっているという。情報集めに奔走する霜田技術委員長は、来日したその日にもアギーレ監督に事情説明を求める方針だ。

 原専務理事は「“無実だし、関係はしていない”という彼の言葉を信じて動くしかない」と話した。今はアギーレ監督の言葉を、無実を信じ、来年1月に迫ったアジア杯(オーストラリア)に向けて粛々と準備を進める方針だ。だが、仮に起訴、告発など法的な動きがあれば判決を待たず、アギーレ監督が辞任を迫られる可能性は否定できない。

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2014年12月3日のニュース