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C大阪6年ぶり降格…創設20周年イヤー 開幕前はV候補も無残

[ 2014年11月30日 05:30 ]

<C大阪・鹿島> J2降格が決まりサポーターに一礼するC大阪イレブン

J1駄33節 C大阪1―4鹿島

(11月29日 ヤンマー)
 C大阪は29日、ホームで鹿島に1―4と大敗し、1試合を残してクラブ史上3度目のJ2降格が決まった。「史上最攻」をスローガンに掲げたクラブ創設20周年イヤーは、10年W杯南アフリカ大会でMVPに輝いたウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(35)を獲得して優勝を目指したが、予想外の低迷で最悪の結末を迎えた。
【試合結果】

 悪夢は繰り返された。試合終了と同時にホームが静まり返る。3度目のJ2降格。チームの誰もが現実を受け止められない。整列後、DF山下はしゃがみ込んで起き上がれなくなり涙に暮れた。

 「どんだけいい準備をしても、試合になると変な空気が流れる。全てがうまくいかなかった」

 結果的に勝てば最終節に残留の夢をつなぐことができる状況だったが、精彩を欠いて前半はシュート2本。33分に先制を許し、逆襲に出た後半は1点を返すのが精いっぱいで3点を失った。シュートなしで後半に退いた南野は「今は何も考えられない」とうなだれた。

 昨季4位と躍進し、フォルランらを加えた今季は優勝候補に挙げられていた。だが、W杯MVPは日本人選手とピッチ外で交流を深めることはなく、終盤には調整の試合で仲間のパスがずれると反応せず、怒りをぶちまけるなど周囲との距離は埋まらない。この日を含めて直近2試合はメンバーを外れた。計8シーズンも続いたレヴィー・クルピ前体制からの変化にクラブもついていけなかった。シーズン2度の監督交代などフロントも迷走し「少しずつ歯車が整わなくなっていった」とMF扇原。柿谷が7月に欧州移籍し山口は右膝手術で長期離脱するなど予期せぬ事態も起きた。

 来季は09年以来6年ぶりのJ2となる。主力の流出は避けられない一方で、山口は故障後のリハビリ中という状況もあり残留が濃厚。さらに来夏まで契約を残す元ドイツ代表FWカカウも「チームが必要としてくれるなら自分はJ2でも残りたい」と残留を宣言した。

 試合後、サポーターが陣取るゴール裏には巨大な横断幕が掲げられた。「史上最攻は経営だけ 大事な強化は空回り 20年間の経験を財産にできないクラブに花は咲くのか?」。創設20周年の悲劇。もはや3度目とはいえ、教訓を生かさなければC大阪に未来はない。

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