浦和“天敵”トヨグバ封じでＶ決める！　森脇「生きるか死ぬか」

練習の合間に（左２人目から）森脇、那須、西川、槙野のＤＦ陣を集めて指示を出すペトロヴィッチ監督（右）

Ｊ１第３３節 浦和―鳥栖

（11月29日 ベアスタ）
　Ｊ１首位の浦和は２９日にアウェーで鳥栖と激突する。森脇良太（２８）、那須大亮（３３）の両ＤＦは、過去２年のアウェー戦で５得点を許している日本代表ＦＷ豊田陽平（２９）封じを誓った。８年ぶりのリーグ制覇には次戦での勝利が最低条件だが、ストライカー封印を優先させて無失点を目指す。
【Ｊ１順位表】

　頂点への道筋は“トヨグバ”封じから始まる。鳥栖のストライカー豊田はリーグトップタイの１５得点。浦和が８年ぶりに優勝を決めるには勝利が条件だが、失点しては元も子もない。森脇は「食うか食われるかの戦争。生きるか死ぬかのバトル」と闘志をかき立て、那須も「どんなに泥くさくても負けないことが大事」と強調した。

　相手の生命線を封じる。３月８日の今季ホーム開幕戦では豊田の高さを警戒し、右から浜田、永田、槙野の急造３バックを敷きながら前半９分に“決壊”。１列前に上がった右ウイングバックの森脇の裏を突かれ、安田のクロスから豊田にヘディングで決められた。今回は森脇、那須、槙野の不動の３バックで臨むことが濃厚。「クロスを上げさせないことにこだわる。前からの守備が大事。球際で負けるつもりはない」と森脇。那須も「意識しすぎてラインを下げてはいけない」とポイントを挙げた。高いライン設定でゴールから遠ざけ、両サイドの供給源を断つ。正攻法で日本代表ＦＷを抑え込む。

　もう失点は許されない。鳥栖とのアウェー戦は過去２年とも今回と同じ第３３節で激突。豊田には１２年に２発を浴び、１３年にはハットトリックを許した。２戦５発と暴れられ、いずれも優勝の可能性を消された。今季は２２日に行われた２位Ｇ大阪との直接対決で敗れ、頂点へ足踏み。鳥栖戦でも負ければ、首位陥落の可能性もある。勝ち点３を狙うのは百も承知だが、鳥栖にも優勝の可能性が残っている。森脇は「カウンターから一発がないように」と再確認した。

　２６日の練習後には、選手たちで浦和名物のうなぎを食べる決起集会を敢行。「最後に“エイ、エイ、オー！”ってやったら誰も乗ってくれなくて…」と森脇は苦笑い。「みんな秘めたものがあるし、それを出してくれると思う」。闘志をたぎらせるチームに気合を入れる掛け声など不要。熱い思いは、鳥栖のピッチで表現する。

　▼浦和の優勝決定条件　首位の浦和は鳥栖戦に○、２位のＧ大阪が神戸戦に△か●ならば浦和の８年ぶりのリーグ制覇が決まる。Ｇ大阪が○の場合は最終節（１２月６日）へ持ち越しとなるが、浦和は残り２試合（最終節は名古屋戦）を○○ならば、Ｇ大阪の勝敗にかかわらず優勝決定となる。

　【敵地での鳥栖戦ＶＴＲ】
　▼１２年第３３節　１１月２４日に対戦し、１―３で敗れた。前半４５分、豊田に先制されたものの後半１３分の梅崎のゴールで一時同点。しかし、１８分に勝ち越しゴールを許し、３３分には豊田にとどめを刺された。首位広島と勝ち点６差の３位から５位に転落。広島はホームでＣ大阪を４―１で下して初優勝を決めた。

　▼１３年第３３節　１１月３０日に激突し、１―４の大敗を喫した。前半１５分に先制されると、同３７分、後半４５分に豊田に得点を奪われた。ロスタイムの４７分に那須が１点返したものの、５１分に豊田にハットトリックを許した。首位横浜と勝ち点４差の２位に位置し、勝てば横浜に１差に肉薄できたが、ＡＣＬ圏外の４位に後退した。