×

アギーレ監督 結局“古井戸”…「哲学」曲げ遠藤&今野初招集

[ 2014年11月6日 05:30 ]

ジェスチャーを混じえて話すアギーレ監督

 日本サッカー協会は5日、ホンジュラス戦(14日、豊田ス)、オーストラリア戦(18日、ヤンマー)に臨む日本代表23人を発表した。来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向けた選手選考が佳境を迎える中、ハビエル・アギーレ監督(55)はW杯ブラジル大会代表のMF遠藤保仁(34)、MF今野泰幸(31=ともにG大阪)の両ベテランを初招集。アギーレジャパンの命運は“古井戸”に託された。

【日本代表メンバー 日程&結果】

 ある意味でサプライズ招集となった。アギーレ監督は「この2試合は何かを試すのではない。勝ちにいく試合」と断言した。日本協会からも「アジア杯をシミュレーションしてほしい」と勝利を要求され、アジア杯に向けた選手選考という狙いから方向転換した。まさに仮想アジア杯。そんな中、指揮官が打って出た策が、遠藤、今野の招集。“古井戸”を掘り起こすことだった。

 2人はアギーレジャパン初招集ながら即戦力の期待を担う。遠藤は中盤で、ザッケローニ体制でDFだった今野はアンカー(中盤の底)での起用が濃厚だ。指揮官は「今野はMF。G大阪では遠藤とダブルボランチをしている。(4―3―3の)中盤の3つならどこでもできる」と説明。これまでアンカーを務めた細貝は招集を見送り、森重はMFからDF登録に変わった。今野への期待の大きさがうかがえた。

 しかし、なぜ今、古井戸なのか。指揮官は「サッカーで重要なのは質であり、年齢ではない。コンディションもいい。柴崎、田口ら若い選手の力にもなる」と言った。実はG大阪関係者には9月にも今野、遠藤の招集の可能性を伝えるなど常に念頭にあった。過去4試合は4年後を想定して若手を重用したが結果は出なかった。結局、今も安定したプレーを続けるベテランに頼らざるを得なかった。

 1勝1分け2敗という低調な成績も現実路線に拍車をかけた。指揮官は「過去4試合は練習の日数も短く相手のレベルも高い。勝つのが難しい試合だった。今は選手、Jのこともよく知っている状況。レベルの近い相手には勝つという結論に達している」と強気に話したが…。これまで「選手を育てながら勝つのが代表監督の仕事」と豪語しながら、目先の勝利を優先するベテランの招集。自身の哲学とはかけ離れた選手選考となった。

続きを表示

この記事のフォト

2014年11月6日のニュース