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アギーレジャパン“渡り鳥方式”アジア杯V2へ試合都市を直接移動

[ 2014年10月26日 08:55 ]

アジア杯V2へ試合都市を移動していく方針を打ち出したアギーレジャパン

 アギーレジャパンが1月のアジア杯(オーストラリア)で、ベースキャンプ地を置かない方針であることが25日、分かった。複数の関係者が明らかにした。ベースキャンプ地と試合地との長距離移動でコンディション調整に失敗したW杯ブラジル大会の反省を踏まえ、試合地から試合地へと転戦する“渡り鳥方式”で連覇を目指すことになった。

 アジア杯連覇に向け、日本代表は移動による疲れを最小限に抑えることを優先した。パレスチナとの1次リーグ第1戦が行われるニューカッスルから、イラクとの第2戦が行われるブリスベーンまでは約620キロ。ブリスベーンからヨルダンとの第3戦が行われるメルボルンまでは約1400キロ。ベースキャンプを置かず、その間を直接移動することで飛行距離を大幅に軽減できる。ストレスのたまる長丁場の戦いだが、搭乗手続きや荷物検査などの回数も極力抑えることで精神的疲労を減らすメリットもある。

 前回優勝したアジア杯は、秋田県ほどの面積のカタール開催で移動について問題はなかったが、今回はW杯ブラジル大会の反省に立つ。ザッケローニ監督が率いた日本代表は、サンパウロ近郊のイトゥを拠点に、試合ごとに往復した。慣れた部屋で落ち着ける利点はあったが、イトゥと初戦のコートジボワール戦が行われたレシフェとの直線距離は約2150キロ、第2戦のギリシャ戦が行われたナタルが約2300キロもあった。レシフェ―ナタル間は約250キロと近距離であったにもかかわらず毎試合、前日移動でイトゥから会場入り。しかも、涼しいイトゥと蒸し暑い試合会場では気候も違い、1次リーグで敗退した。原専務理事は調整の失敗を認め「距離が遠く、大変だったのは事実」と敗因の一つに挙げていた。同じてつを踏まないためにも、アギーレジャパンは“渡り鳥方式”を選択する。

 もちろん戦術面でも準備を進める。ここまで4試合をこなし、11月にはアジア杯前、最後の親善試合2試合が控える。霜田技術委員長は「アギーレ監督は強豪国に勝つにはどういうオプションを持つか考えているし、選手にも話している。押し込まれても勝ち点3を取るにはどうするかということを一番話している」と明かす。いかなる相手にもボール保持を重視する攻撃的サッカーを貫いたザックジャパンとはここでも対照的。戦術でも調整法でもアギーレ色を前面に連覇を目指す。

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2014年10月26日のニュース