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レオナルド氏「日本は4年前より後退」 本田先発落ちにも疑問符

[ 2014年10月16日 10:27 ]

スポニチ本紙の取材に応じた元ブラジル代表MFのレオナルド氏

 かつて鹿島でもプレーした元ブラジル代表MFのレオナルド氏(45)がスポニチ本紙の取材に応じ、14日の親善試合(シンガポール)でブラジルに0―4で惨敗したアギーレジャパンを一刀両断した。日本が4年前に比べて後退していると断言。FW本田圭佑(28=ACミラン)を先発から外したハビエル・アギーレ監督(55)の采配にも疑問を呈するなど、日本サッカーのさらなるレベルアップのために一石を投じた。

 4年前、ザッケローニ前監督は初陣でアルゼンチンを1―0で撃破。未来に大きな期待を抱かせた。レオナルド氏は現役時代、ACミランでザッケローニ監督から指導された経験を持つ。アギーレ監督との接点はないが、現時点で両者の違いは明らかだという。

 「ザッケローニはイタリア式に攻守にバランスがあるチームをつくり上げ、プレーに具体性があった。アギーレのサッカーはリズム&インテンシティー。ザッケローニが率いた日本代表の方がより組織されていた。4年前の方が格段に良かった。今は前代表と比べて一歩後退している」

 アギーレ監督は前指揮官より自主性を尊重。選手が自らの頭で考えることで、チームを成熟させたいという狙いを持っている。時間が必要なのは間違いないが、それでも本田を先発から外した采配にはレオナルド氏も黙っていられなかった。

 「アギーレが“ブラジル相手だろうがアジア杯のメンバー選考のため使った”という談話も読んだ。かなり重大な発言だけど、おそらくまだチームとして機能していないんじゃないかな。本田を先発から外した理由がよく分からなかったしね」

 本田はACミランで今季6戦4得点と覚醒。レオナルド氏は本田を絶賛した上で現代表も前代表同様に、本田を香川とともに中心としてチームをつくるべきと主張した。

 「本田は今季、コンスタントに結果を出している。まさにイタリアサッカーで最も求められることで、私もその部分は評価している。それ以前は好不調の波があった。決してスピードはないけど、試合の流れをしっかり読める力がある。だから決定的な仕事をできるポジションにいられる。ボールをどこに運べば良いか知っているし、ゴール前では得点も奪える。日本代表もその本田、さらに香川という最も能力の高い2人にもっと出場機会を与えるべきだ」

 一方で長友をはじめ他の主力選手に関しては、W杯での惨敗による影響があると指摘する。

 「長友は私がインテル・ミラノの監督だった時に獲得してもらった。彼は監督に無数の選択肢を与えてくれる。サイドバックでも1列前でもプレーできるからね。でも最近はちょっと集中力を欠き、プレーに正確さを欠いている。主力の多くは最近、W杯での落胆から、ちょっとプレーで自分自身を失いかけているような気がしてならない」

 日本サッカーのさらなる発展を願ってやまないからこその厳しい言葉の数々。今後に向け、レオナルド氏は「今の代表の試合はちょっとつまらない。日本はパーソナリティー、創造性の面でも、もっともっと成長しないといけない」と日本へのエールを忘れなかった。

 ▽レオナルド(本名レオナルド・ナシメント・デ・アラウージョ)1969年9月5日、ブラジル・リオデジャネイロ州出身の45歳。17歳でフラメンゴとプロ契約し、現役時代はサンパウロ、鹿島、ACミランなどでプレー。ブラジル代表でW杯に2度出場し、94年米国大会で優勝。代表通算60試合8得点。現役引退後はACミラン、インテル・ミラノで監督を務め、11年から13年8月までパリSG強化部長を務めた。現役時代のポジションは主にMF。

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2014年10月16日のニュース