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アギーレ監督 王国相手に“無謀采配”先発6人入れ替えボロ負け

[ 2014年10月15日 05:30 ]

<日本―ブラジル>後半、立て続けに失点し大声をあげるアギーレ監督

国際親善試合 日本0―4ブラジル

(10月14日 シンガポール)
 日本代表は14日、シンガポールでブラジル代表と親善試合を行い、0―4で大敗した。就任4戦目となったハビエル・アギーレ監督(55)は10日のジャマイカ戦から先発6人を変更。FW本田圭佑(28=ACミラン)を約1年ぶりにベンチスタートさせるなど国際経験の浅いメンバー中心で臨んだ。来年1月のアジア杯に向けた選考と位置付けたが、あまりにも無謀な采配。世界との差を見せつけられ、叩きのめされた。
【試合結果 日本代表メンバー 日程&結果】

 みけんにしわを寄せ、何度も首を振った。アギーレ監督の目の前で繰り広げられたのは相手FWネイマールのゴールショーだ。後半3分、柴崎のトラップミスは簡単に相手チャンスに変わった。会見で「選手は最後まで戦ったが、2失点目のダメージが大き過ぎた。チームが崩れてしまった」と3度もその場面を指摘した。

 だがそれ以前に戦い方に問題はなかったか。「アジア杯のメンバー選考のために使ったが、相手は何度も世界チャンピオンになっているブラジルだった」。言うまでもなく、力の差は火を見るより明らかだった。

 予告通り、ジャマイカ戦から先発を6人も入れ替えた。だがブラジル相手に小林、田口、森岡という初先発を3人も含んだ編成は無謀だった。「選手のキャラクターを見たかった。だが両チームの違いは選手の若さ。若いJリーグの選手を7人起用したが、2失点目で自信を失ったとも考えられる」。まるで人ごとのようだった。プラス材料を見つけるのは難しい内容だった。

 ブラジル戦はあくまで来年1月のアジア杯に向けた選手選考の場と位置づけていた。「逆境の中で試合を見ることができたのは重要。たくさんの結論を見つけることができた」と言う。試合後、既にアジア杯メンバーに当確の選手がいることも示唆した。だが個の能力差が大きく、もの差しすら違う格上との一戦が、選考の場にふさわしいのかも疑問は残る。

 指揮官はメキシコ代表監督時代の01年南米選手権でブラジル撃破の実績を持つ。後半、本田、武藤、細貝らを投入したが、前線でキープできない時間が続き攻撃も散発。効果的な采配もできなかった。試合前の円陣で「ブラジルに勝てば我々は有名になれる。有名になろう」と鼓舞したが、逆の意味でインパクトを残してしまった。

 「ビッグチーム相手にミスを犯してはいけないという教訓を得た」。それは戦前から分かり切っていること。アジア杯まで残された試合は11月のホンジュラス戦、オーストラリア戦のみ。9月の2試合で4失点した守備、ジャマイカ戦でシュート20本を放ちながらO・Gの1点に終わった得点力――惨敗のブラジル戦から課題を解消する糸口は見えなかった。

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2014年10月15日のニュース