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アギーレ監督、究極のテスト ブラジル戦は先発6人入れ替え

[ 2014年10月14日 05:30 ]

練習を見つめるアギーレ監督。堅守速攻に戦術を変更し王国から金星を狙う

国際親善試合 日本―ブラジル

(10月14日 シンガポール)
 日本代表は14日、シンガポールのナショナルスタジアムでブラジル代表と親善試合で激突する。ハビエル・アギーレ監督(55)は初めて臨む国外での試合に向け、10日のジャマイカ戦から先発メンバー6人の入れ替えを明言。サッカー王国との一戦は勝利を求めながらも来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向けた選考材料とする“究極のテスト”と位置づけた。

 その瞬間、試合前日の会見場はどよめきに包まれた。アギーレ監督が突如、大幅な先発メンバーの変更を明言した。

 「6人を入れ替えます。アジア杯に向けて選考している時期。結果も求めるが、選手を見ることが最優先」

 相手は世界が認めるサッカー王国。ベスト布陣で臨むのが定石。だが指揮官の考えは違った。

 「ブラジルという難しい相手。我々が勝利の候補ではない。そういう逆境の中で戦う姿勢を求めたい。そのためにここに来た。選手を試すこと、同時に肉体を痛めつけないことを考えています」

 見据えるのはオーストラリアで開催される来年1月のアジア杯。選手の疲労を考慮しつつ、ホームと違う雰囲気の中で戦える選手は誰かを見極めることが最大のテーマとなる。ブラジルはこれまでの相手と攻守に格が違う。ドゥンガ新監督の下で3戦無失点を誇る。それでもアギーレ監督は「その数値は変えようと思っています」と強気。攻撃では4得点中3得点がセットプレーからで「そこはしっかり守ってほしい」と厳しいテーマも突きつけた。選手にとっては“究極のテスト”となる。

 金星を諦めたわけではない。メキシコ人監督は練習前の円陣で選手を鼓舞した。「ブラジルに勝てば我々は有名になるぞ。有名になろう」。ブラジル戦も従来の4―3―3布陣で臨む。ボール保持、主導権では相手に分があることは承知の上だ。指揮官は「コンパクトにやる必要がある。40メートルの距離をキープして戦う必要がある」と訴えた。

 日本代表のブラジル戦成績は2分け8敗。だが、アギーレ監督はメキシコ代表監督時代の01年、南米選手権で対戦。徹底した堅守速攻で1―0と競り勝ち、下馬評を覆した実績を持つ。「同じことを再現したい」とも話しているという。日本が初のW杯出場を決めたジョホールバル(マレーシア)からわずか20キロの距離に位置するナショナルスタジアム。アギーレ監督がテストと勝利の二兎(と)を狙った大胆なタクトで、歓喜の渦を巻き起こす。

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