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選別始まった!アギーレ監督「まずは観察」メモ&対話で情報収集

[ 2014年9月2日 05:30 ]

アギーレジャパン始動!!練習中に舌を出しておどけてみせるアギーレ監督

 新生日本代表が1日、札幌市内で5日のウルグアイ戦(札幌ド)、9日のベネズエラ戦(日産ス)に向けた合宿を開始した。ハビエル・アギーレ新監督(55)の指導初日は疲労回復を目的とした軽めの練習となったが、指揮官は対話と観察に徹し、来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向けたサバイバル競争をスタートさせた。2日からは本田圭佑(28=ACミラン)、長友佑都(27=インテル・ミラノ)ら全23選手がそろい、本格始動する。

【日本代表メンバー 日程】

 120分間、練習開始から終了まで、アギーレ監督はよくしゃべり、笑わせた。その姿は15年間の監督生活で退席処分4度、納得のいかないプレー、判定には暴言をいとわぬ闘将の印象とは180度違った。「冗談を言うのは私のスタイル」。選手への指示はコーチに任せ、一方でギャグを繰り出す。これが新監督としての1日目だった。

 和やかな雰囲気の中で、実はサバイバルの試験が始まっていた。関係者によれば、指揮官は来年1月のアジア杯に向け、既に独自の調査で70~80人のリストを作成済み。中にはJ2の選手も含まれるなど、その情報量は豊富で「(代表に)合わない選手はすぐに外す」と明かしているという。選考基準も多岐にわたり、試合中に水を多く飲む選手、時間稼ぎする選手などは好まない。それぞれの選手はどういうタイプなのか。この日は格好の選考材料だった。

 この日参加した16選手は欧州、J1で2日前に試合を行ったばかりで、メニューはリカバリー中心。そのため指揮官は対話を重視し、観察に徹した。手元にはノートを抱え「気付いたことは常にメモする。まずは観察からです」。練習中、手倉森コーチから裏方に当たる用具係まで分け隔てなく話し、あらゆる角度から情報を収集した。指揮官としてのしたたかさがのぞいた。

 練習中、最も盛り上がったのが3対3のフットバレーだ。指揮官はDFチームに対し「GKチームに負けたら即帰ってもらうぞ」と冗談を言い、笑いを誘った。吉田は「気難しいのかと思っていたけど、ラテン系というか、よくボケますね」。細貝も「見た目は怖いけど優しいのかな」と笑う。もちろん対話もチームづくりの重要な要素だが、やりとりを通じた反応やコミュニケーション能力も試されていた。

 練習前に約5分間、円陣を組み「きょうから来年1月のアジア杯に勝つためにやっていく」と伝えた。7人の欧州組が不在だった初日の練習からは戦術、スタイルは見えなかった。それでも5日のウルグアイ戦に向け「4―3―3でプレーします。最初の1分から90分までしっかり戦うこと」と言った。大事なのはシステムではなく、戦う姿勢だ。笑みがあふれた練習風景からは想像がつかない。メキシコ人指揮官による、したたかで周到な試験が始まった。

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