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代表とは無縁のキャリア「神戸のファンタジスタ」森岡世界へ

[ 2014年8月29日 05:30 ]

初めて日本代表に選出された神戸の森岡

日本代表発表

 ミナト神戸のファンタジスタが日の丸を背負う時が来た。昼寝中に初招集の電話を受けたMF森岡は、その後、神戸市西区の練習場で開かれた会見に緊張の面持ちで出席。「まったく知らない人ばかり…。聞いてからソワソワしてきたので、慌てて筋トレしました」と初々しく笑った。

 A代表だけでなく五輪などの主要な世界大会とは全く無縁で、最後に代表と名のつくチームに呼ばれたのは久御山高3年時のU―18代表の候補合宿。全国的には無名の存在だ。

 ただ、そのプレースタイルはピッチ上でひときわ目を引く。プロ4年目の今季は4―2―3―1のトップ下のポジションを与えられ、創造性あふれるプレーで好調のヴィッセル攻撃陣をけん引。「スルーパスの部分で評価された印象はある」と自ら語るように、古き良き時代の10番の香りを漂わせつつも、シュートやドリブル突破を仕掛ける万能性を持ち合わせる。今季は課題だった運動量もアップし、アギーレ監督好みの献身的なプレーも増えた。

 神戸入りした10年シーズンから8試合に出場しながら、度重なるケガに見舞われるなど不安定なプロ生活を過ごしてきた。一方で当時から大久保嘉人(川崎F)に才能を高く評価され、川崎Fに移籍後の昨季には、その先輩から10番を継承すると8月からレギュラーに定着。「ブレずに自分の思ってきたことをやってきて良かった。試合に出ていない時間もあってよくない評価が大半だったけど、その中で追求できてよかった」と感慨深げに振り返った。

 しかし本人にとっては、まだ飛躍のスタート地点に立ったに過ぎない。「これから何回も選ばれ続けたい。代表に選ばれた後のまわりの期待の中で、どれだけできるか楽しみ」と、その表情には自信が見え隠れする。神戸生え抜きの司令塔が新生日本代表でも輝きを放つ。

 ◆森岡 亮太(もりおか・りょうた)1991年(平3)4月12日生まれ、京都府城陽市出身の23歳。正道カンガーFCでサッカーを始め、FCソルセウ、東城陽中を経て久御山高から10年に神戸入り。09年にU―18日本代表候補に選ばれる。1メートル80、70キロ。利き足は右。

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2014年8月29日のニュース