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アギーレJでも本田FK弾だ ミラン雪辱のシーズン&4年後へ号砲

[ 2014年8月19日 05:30 ]

インザーギ新監督の評価を上げた本田

親善試合 ACミラン1―2バレンシア

(8月17日 バレンシア)
 豪快なFKでリーグ開幕へ号砲だ。ACミランのMF本田圭佑(28)がラツィオとのリーグ開幕戦(31日)の先発にまた一歩近づいた。17日のアウェーでのバレンシア戦で右FWとして先発し、前半28分にミラン移籍後は初めてとなるFKでの一発。チームは1―2で敗れたものの、フィリッポ・インザーギ監督(41)からは合格点を与えられ、一夜明けの地元紙からも高く評価された。

 伝家の宝刀をついに抜いた。前半28分、ゴール前中央30メートルの位置。迷いなく振り抜いた本田の左足シュートは弧を描き、ポスト右を叩いて逆サイドに突き刺さった。相手の元ブラジル代表GKジエゴ・アウベスは反応したものの、触ることすらできなかった。

 キッカー役を務めてきたイタリア代表FWバロテッリ不在のチャンスを生かした。FKでのゴールは日本代表での親善試合ウルグアイ戦(13年8月14日)以来1年ぶり。オフサイドの位置にいた味方選手が本田の助走と同時に一斉にDFラインに戻り、バレンシアGKの注意をそらす“アシスト”はあった。だが、それでもキックの強さ、速さ、コース全てが完璧な弾丸FKだった。

 インザーギ監督や地元各紙も賛辞を惜しまなかった。指揮官は「FKでサインプレーを施していたのは事実。だが、本田は凄くいいボールを蹴ってくれた」と満足げに語り「(技術の)クオリティーがある。あのポジションで良くやっていけるだろう」と今後も右FWでの起用を示唆。ガゼッタ・デロ・スポルト紙は動きの良かった4選手の1人に本田の名前を挙げ、「名選手らしいタッチ」で「変化の付いたFK」と表現した。コリエレ・デロ・スポルト紙は「この日本人は間違いなくチームの中で最高のパフォーマンスを見せた選手。FKではチャンスを狡猾(こうかつ)に生かして得点。これで彼の士気は一層上がることだろう」とし、チーム最高となる6・5点を与えた。

 32分の左CKは蹴った瞬間に失敗と分かる大ホームラン。失笑を買うシーンもあったが、それはご愛きょう。14日の3部プロピアチェンツァ戦に続く2試合連発で、31日の開幕ラツィオ戦先発の座も大きく見えてきた。

 ミラン1年目はチームにフィットせず、コンディションも上がらないままW杯を迎え、そして、惨敗した。W杯後は「目標を変えるつもりはない。世界一への作業が間違えていたのならもう一度見つけたい」と話し、再出発を誓っていたが、ミラン2年目で存在感は増している。

 シーズン開幕直後ということを考慮され、当初は見送られる可能性もあったアギーレジャパンの初陣(9月5日・ウルグアイ戦、同9日・ベネズエラ戦)にも選出されることが濃厚になった。本田は新シーズンへ、そして、4年後のロシアへ確かな歩みを刻んでいる。

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2014年8月19日のニュース