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柿谷 移籍後初ゴール!「すしボンバーだ」地元紙も最高賛辞

[ 2014年8月11日 05:30 ]

チューリヒ戦の後半、攻め込むバーゼルの柿谷(中央)

 アギーレジャパンのエースは俺だ!スイス1部バーゼルの日本代表FW柿谷曜一朗(24)が9日、ホームでの強豪チューリヒ戦に後半16分から出場。移籍後初ゴールを決め、1アシストも記録し4―1の勝利に貢献した。無得点で1次リーグ敗退したW杯ブラジル大会の屈辱を晴らすべく、11日に来日する新生日本代表のハビエル・アギーレ新監督(55)に猛アピールした。

【日程と成績】

 アギーレ新監督にインパクトを与えるには十分な一撃だった。後半29分、柿谷が魅せた。左寄りでボールを持つと相手DFをうまくかわしながら1トップのズッフィとワンツーを完成。一瞬で相手DFラインを置き去りにし、次の瞬間、柔らかなタッチで相手GKの右を抜くゴールを決めた。美しく、流れるようなプレーに本拠バーゼルのサポーターも熱狂した。

 記念すべき、欧州での第1号。それでも柿谷は冷静だった。「2―0から1点取られていたし、どこかに隙があれば追加点を狙えればと。形になったので良かった。真ん中のアイデアというのは各選手がいろいろと持ってる」。出場したのは後半16分から。直後にはサブ組の練習が控えており取材対応も早めに切り上げた。意識は早くも“次”に向けられていた。

 柿谷が、その評価をさらに高めたのが後半42分のアシストだ。同30分からは、トップ下から1トップに移った柿谷が左サイドを突破。視界の隅でゴール前のデルガドを捉えると右足で丁寧にパスを送り、ダメ押しとなる4点目をアシストした。「試合の展開を読みながら何をすべきかを考え、ピッチの中に溶け込めるようにやりました」。充実感をにじませた。

 スイス全国紙のブリックは柿谷を“すしボンバー”と表現した。かつてドイツで活躍した元日本代表FW高原(現J3相模原)と同じニックネームを引用。「すしボンバーは試合を決定付けるのに13分間を要しただけだった。バーゼルの勝利は柿谷のおかげ。日本人のジョーカーがチューリヒを沈めた」と報じた。敵に傾きかけた流れを柿谷が取り戻したことを評価した。

 くしくも日本代表のアギーレ新監督は11日、都内で就任会見に臨む。選手選考に関しては過去の実績や名前にとらわれないことで有名。もちろん、柿谷にとっても望むところだ。だからこそ無得点、1次リーグ敗退と屈辱にまみれたW杯ブラジル大会のリベンジを胸にスイスに新天地を求めた。デビュー2戦目で1得点1アシストも通過点。柿谷の挑戦は始まったばかりだ。

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