×

本田 屈辱のW杯から1カ月…ロシアへ復活ののろし 初アシスト

[ 2014年8月8日 05:30 ]

<ACミラン・チバス>後半は、ボールを巧みにコントロールする本田(AP)

親善試合 ACミラン3-2チバス

(8月6日 米ヒューストン)
 本田が今季初アシストを決めた。米国遠征中のACミランは6日、チバス(メキシコ)との親善試合に3―0で勝利。日本代表の本田圭佑(28)は、3トップ右で今季2度目の先発を果たし、前半20分に今季初アシストをマークするなど、2ゴールに絡む活躍を見せた。W杯ブラジル大会後、ようやく結果を残し、クラブのフィリッポ・インザーギ監督(40)、日本代表のハビエル・アギーレ監督(55)へダブルアピールとなった。

 2点に絡んだ本田の表情は穏やかだった。後半28分に交代した際、観客席から聞こえた声援の方を振り返ると、少しだけ笑顔を見せて右手を上げて応えた。「最近試合に勝てていなかったので、勝てて良かった」。直前のギネス杯は全3試合に出場しながら3連敗。初勝利に貢献し、胸をなで下ろした。

 初アシストでチームを勢いづけた。前半20分、右サイドでボールを受け、ギアを一気に上げてドリブル。体を寄せるDFをかわしながら、利き足とは逆の右足でクロス。ファーに走り込んだニアンに合わせ、先制点を演出した。2点リードの後半25分には右サイドでタメをつくり、オーバーラップしたエシエンにパス。パッツィーニの3点目の起点にもなった。

 4試合連続で3トップの右での起用。過去3試合はコンディション不良もあり、攻撃に絡む機会は少なかった。それでも、7月30日に疲労を考慮されて特別休暇を与えられるなどすると、コンディションは上向き。左サイドまでも精力的に動き回った。前半8分には左クロスに反応し、体を投げ出しながらチームのファーストシュート。前半3度訪れたFKのチャンスでは真っ先にボールに近づいて、キッカーのバロテッリと交渉した。結果的に本田がFKを蹴ることはなかったが、得点への執念がにじみ出た。

 本田は「まだまだ練習が必要。これからさらに良くなっていくと思う」と、目標は高いが、慣れない位置でも結果を残し、上昇気流に乗るきっかけはつかんだ。初白星を挙げたインザーギ監督も「先制点で乗っていけた。本田ら攻撃陣は良かった」と、背番号10に及第点を与えた。

 本田にとって屈辱だけが残ったW杯ブラジル大会から既に1カ月が過ぎた。「まだ(リーグ開幕まで)時間がありますんで、しっかりコンディションを整えて引き続きチャレンジすることが大事」。前半と後半でユニホームの色を替えたように親善の意味合いの強い試合だった。それでも、 新シーズン、そして4年後のロシアへ、日本の司令塔は確かに復活ののろしを上げた。

続きを表示

2014年8月8日のニュース