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浦和の野人2世・関根「19歳も若くない」 W杯で同世代に刺激

[ 2014年7月19日 05:30 ]

練習で槙野(奥)と激しく競り合う関根

 W杯ブラジル大会のため中断していたJ1リーグは19日の第15節で本格的に再開する。首位・浦和は新潟とホームで激突。前節5月17日のC大阪戦でJ初ゴールを決めた生え抜き新人のMF関根貴大(19)は、浦和OBの岡野雅行氏(41=J3鳥取GM)ばりのスピードを武器に2試合連続ゴールに意欲を見せた。J1再開は期待のホープたちにとっても、4年後のW杯ロシア大会へ向けたスタートとなる。

 4年後のロシアへ向けて突っ走る。浦和の次世代エースが、その決意を明かした。「W杯では自分の年齢なのに世界で戦っている選手がいた。刺激を受けた。19歳も若くないと思う。そういう選手に負けないように頑張りたい」。W杯ブラジル大会では同世代のベルギー代表MFヤヌザイ、オランダ代表FWデパイらがピッチに立ち、22歳だったコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスが日本を蹴散らす姿を見た。U―19日本代表で南野(C大阪)と並び将来を期待されるスター候補生は、危機感すら漂わせた。

 首位を走る浦和のスーパーサブとして、新潟戦も出番を待つ。「得点やアシストを取れるところで取っていきたい」。右サイドを主戦場とし、武器はワンタッチで相手を置き去りにする初速を生かしたドリブル。そのスピードは“野人”として親しまれたOBの元日本代表FW岡野氏をしのぐほどだ。

 5日に行われた山田暢久氏の引退試合。ボールをキープした関根を岡野氏が追いかけてきた。昨季限りで現役を退いた41歳。全盛時ほどではないとはいえ、現在もトレーニングを続ける“野人”を「怖かったッスね」と言いながら、いとも簡単に一瞬の爆発力で置き去りにした。「試合後にあいさつしようと思ったけど、どこかに行ってしまった」。言葉こそ交わせなかったが、“ジョホールバルの歓喜”を呼んで98年フランスW杯に出場した先輩をちぎったことが自信となった。

 差別的横断幕問題で揺れた3月23日の清水との無観客試合でJデビューした。そこで得点の起点となり評価を高め、5月17日の前節C大阪戦でJ初得点をマーク。急成長を遂げている。16年のリオデジャネイロ五輪も狙えるが、視線はその先。「4年後は自分がW杯のピッチに立つことが目標」。18年W杯ロシア大会に向けての戦いが始まる。 

 ▼岡野雅行氏(関根は山田氏の引退試合で)オッサンの僕に遠慮なく突っ込んできた。その姿勢が大事。W杯で日本代表になかったのはチャレンジ。(オランダ代表の)ロッベンだって仕掛けていたし、勇気を持って勝負をすることを忘れないでほしい。仕掛けないと何も始まらない。そういう姿勢が人の心をつかむと思う。

 ◆関根 貴大(せきね・たかひろ)1995年(平7)4月19日生まれ、埼玉県鶴ケ島市出身の18歳。浦和のジュニアユース、ユースを経て今季トップチーム昇格。2種登録だった昨季の天皇杯3回戦J2山形戦で公式戦デビュー。今季はリーグ戦9試合1得点。J3のU―22選抜にも選手登録。U―16、18、19日本代表。利き足は右。40メートル走5秒2でU―19日本代表でトップクラスの脚力を持つ。1メートル67、61キロ。背番号26。

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2014年7月19日のニュース