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安定感光るメキシコに傾く流れ、クロアチアが魅せる上質フットボール

[ 2014年6月23日 12:45 ]

ブラジル戦で神がかり的なセーブを何度も披露したメキシコGKオチョア(AP)

W杯1次リーグA組 メキシコ―クロアチア

(6月23日 レシフェ))
 サッカーワールドカップ(W杯)第12日の23日(日本時間24日)の注目は1次リーグA組のメキシコ―クロアチア。ここまで1勝1分けのメキシコと1勝1敗のクロアチアはハイレベルの戦いが期待される。サッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に展望を聞いた。

 メキシコがグループリーグを突破する条件は引き分け以上。クロチアは勝利あるのみ。ブラジルの結果いかんとはいうものの、彼らは勝利を収める確率が非常に高い。対戦相手は、派閥間の対立やボーナスをめぐるトラブルで闘う体を成さず、すでにグループリーグでの敗退が決まっているカメルーンだ。

 さて、メキシコは初戦のカメルーン戦で、極めて微妙なジャッジにより2度もゴールを取り消されながら、集中力を維持して1―0。続くブラジル戦もGKオチョアの奇跡的なセーブと積極的な試合運びが奏功し、貴重な1ポイント(0―0)をモノにしている。この2試合は、短期決戦で重要なファクターとなる勢いをもたらし、予選では不安定だったチームは、攻守ともに安定感を増してきた。

 一方、クロアチアも好調だ。1―3の敗北を喫した初戦のブラジル戦も内容は悪くなく、第2戦のカメルーン戦は出場停止処分が解かれたマンジュキッチが大暴れ。モドリッチ、ラキティッチとともに、上質のフットボールで見せた。

 それでもこの一戦は、メキシコ有利と考えられる。22日現在、中南米対ヨーロッパは6勝2敗。今大会の大きな特徴だ。ワールドカップの流れ自体は、メキシコに傾いている。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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