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本田“欧州キラー弾”頼んだ!監督が逆襲の主人公に指名

[ 2014年6月20日 05:30 ]

ギリシャ戦に向け、鋭い動きでダッシュする本田(左は岡崎)

W杯1次リーグC組 日本―ギリシャ

(6月19日 ナタル)
 日本代表は19日(日本時間20日)、W杯1次リーグ第2戦でギリシャ代表とナタルで対戦する。アルベルト・ザッケローニ監督(61)は負ければ敗退の可能性もある背水の陣へ向け、就任から4年間主軸として起用し続けたエースの本田圭佑(28=ACミラン)への高い期待をあらためて公言。“欧州キラー”の本田とともに、新たなストーリーをつくり上げる。 

 コートジボワール戦に敗れて窮地に追い込まれたザッケローニ監督は、大一番の前日会見で何か吹っ切れた表情を見せた。「(イタリア語から日本語に)しっかり訳してほしい。初戦に負けて誰も満足していない」と強調。その上で「我々は初戦とは違うチームに生まれ変わった。初戦とはまったく違うストーリーがある。そのストーリーは、自分たちの手でつくり上げる」と力を込めた。

 新たな物語の主人公はもちろん、エースとして起用し続けてきた本田だ。初戦では先制点を決めながら、同点弾を許すきっかけとなったパスミスを犯すなど後半に失速した。それでも「初戦も最高の試合をした。本田はこのチームの主軸。これまで同様に期待している」ときっぱり。“この4年間、本田に頼りすぎたのでは”という問いには「この質問にはちょっとびっくりだね」と苦笑いを浮かべながらも「当然ながら頼ってきた。彼もこの4年間、日本代表に多くをもたらしてきた。私は最高の選手だと思っている」と言い切った。

 背番号4も主人公として役割を果たす準備を整えている。08年1月のVVVフェンロ移籍後、欧州で7年間プレーし「欧州を相手にプレーすることに慣れている」と自信を持っている。欧州勢には15戦6発で、11年8月の右膝半月板の手術後は8戦4発と高い決定力を誇る。それも個人トレーナーとともにフリーランニングを強化してきたからこそだ。コートジボワール戦では対アフリカ勢との相性の良さを証明して8戦6発としただけに、2戦連発の期待がかかる。日本の1―0勝利を予想したブラジルのESPNは、1次リーグ初戦16試合のベストゴールランキングで本田を7位に選出するなど、サッカー王国での注目も高い。

 冒頭15分のみ公開だった前日練習では長友、川島と話し込み、内田と岡崎とボールを回しピッチの状態を確認した。練習後の取材エリアでは言葉を発しなかったが、引き締まった表情を見せた。

 初戦の采配ミスを認めた指揮官は「4年間結果を出してきたプレーをいまさら変えることはできない」と強調。「初戦に敗れてチームは自信を失うリスクがあるが、短期決戦のW杯ではそれだけは許されないんだ。1次リーグ突破はあしたの試合次第だ」と力を込めた。大会後の退任を決めている指揮官は、変わらぬ期待を本田に託して背水の陣へ臨む。 

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