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オランダ決勝T一番乗り!規格外2トップそろって2戦連発弾

[ 2014年6月20日 05:30 ]

オーストラリア戦の前半20分、先制ゴールを決めて喜ぶオランダ代表FWロッベン(右)(AP)

W杯1次リーグB組 オランダ3―2オーストラリア

(6月18日 ポルトアレグレ)
 チームが機能しなくても規格外のストライカー2人がいれば関係ない。最後まで苦しんだオランダが、結局は個の力で勝ち点3をもぎ取った。格下のオーストラリアに逆転を許しながら逆転し返して3―2で競り勝ち、スペインに5―1と大勝した初戦(13日)に続いて2連勝。チリとともに決勝トーナメント進出一番乗りを決めた。

 まず“世界最速プレーヤー”ロッベンが魅せた。前半20分、センターサークル付近でボールを受け、前を向くと同時にトップスピードに。高速ドリブルで相手を置き去りにして左足で先制弾を決めた。「前半はとてもひどかった」という局面をたった1本のドリブルシュートで変えた。

 2ゴールを挙げて王者を紛砕した初戦で伝説的プレーが生まれた。オランダ紙テレグラフによると、後半35分にロッベンが自身2点目を決める直前に相手DFセルヒオ・ラモスと競り合いながらドリブルしたスピードは時速37・0キロに到達。現存するデータではウォルコット(アーセナル)の35・7キロを抜き“世界最速”という。100メートルに換算すると10秒28で、芝のピッチでスパイクを履きドリブルをしながら、今月8日の日本選手権男子100メートルで優勝した桐生祥秀の10秒22に匹敵。その韋駄天(いだてん)レフティーがトップギアに入れば、止めることは不可能だ。

 同じくスペイン戦で2得点を挙げた、もう1人のワールドクラスが続く。1点を追う後半13分、スルーパスに反応したファンペルシーが巧みに抜け出し、豪快に同点弾を突き刺した。こちらも左足のひと振りで劣勢を覆し「相手はずっと向かってきたし走り続けていた。いいチームだった。だからこそこの勝利は甘美だ」と喜んだ。

 ファンハール監督は「相手がチャンスを外せば、こちらがゴールを決めると(試合中)コーチと話していた」とシーソーゲームを冷静に振り返った。首位突破のかかる23日(日本時間24日)のチリ戦は累積警告のファンペルシーが欠場するが、逆に決勝トーナメントに向け体力温存の好機。8点中6点を挙げるFW2人が万全なら、悲願の初優勝を狙うオランダの勢いが止まることはない。

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