×

名波&城氏が分析 終盤パワープレーに疑問…やりたい形見つめ直せ

[ 2014年6月16日 10:44 ]

<コートジボワール・日本>前半、大迫が突破を図る

W杯1次リーグC組 日本1―2コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 コートジボワール戦のザックジャパンの敗因はどこにあったのか。そして、第2戦のギリシャ戦へ向けて課題は何か。スポニチ本紙評論家の元日本代表MF名波浩氏(41)と同FW城彰二氏(38)が分析した。

 城 日本はコンディションが悪く、後半一気に運動量が落ちた。暑さと湿度で体力が奪われ、相手にパスを回されて動かされ、日本本来のパスを回してボールを保持するサッカーができなかった。途中で給水する選手も多く、スタミナ的に苦しいところが見えていた。

 名波 長谷部を、後半9分で代えたのは疑問だった。チームのバランスが良かったので代える理由はない。ベンチでアイシングもしていなかったので、ケガなどでもない。責任感も強いので、出るなら90分間やるつもりだったはずだ。

 城 失点の場面は2点とも日本の左サイドでボールを持った選手にDFが寄せきれず、簡単にクロスを上げさせている。前線でプレスもかからず、中途半端になって後半にスタミナが切れた。システムも本田の1トップにしたり、迷いがあるように見えた。今まで練習でやっていないことをやって選手が戸惑っているように見えた。

 名波 引いてボールをもらうタイプの本田が1トップでは今までのコンセプトとは違う。4年間、1トップの選手に「DFラインの背後を突け」と言い続けてきたのに、前へ飛び出せない。大久保なら背後を突く動きができた。

 城 後半9分に遠藤を入れた後、大久保も呼ばれて交代する準備をしていた。だが、ザッケローニ監督とコーチが言い争いをして、その間に逆転され、後半22分まで入るのが遅れた。ベンチの焦りみたいなものを感じた。

 名波 そもそもリードしているのに、先に守備的な位置の選手を代えるのはどうだろう。終盤の吉田のパワープレーも、それなら豊田を残しておけばよかったということになる。我々が見ていないところでやっていたのかもしれないが。

 城 ギリシャ戦へ向けて、まずはコンディションを上げること。そして、テストマッチも含めてボールの取りどころが定まっていないので、「ボールをどこで奪うか」を、チーム全体で再確認する必要がある。パスをつなぐ意識が強すぎて、少し攻守の切り替えがうまくできなくなっているのかもしれない。

 名波 すぐには切り替えられないかもしれないが、4年間寝食をともにしてきた選手が腹を割って話し合い、自分たちのやりたいサッカーはなにかをもう一度見つめ直し、すっきりした形で臨むしかない。この試合は、パスが326本しか通らなかったので、いつものように400本ぐらいつながるようにしないと。

 城 ギリシャも負けると終わりだから、必死で来る。日本は自分たちのサッカーがどれだけできるか。初戦は4年前の南アフリカ大会と同様に引いてカウンター狙いみたいになった。ここでトライをしないと何も残らない大会になる。

 名波 勝つしかないのだから、むしろはっきりしている。フランス大会では(負けたとはいえ)一致団結して2戦目に臨んだが、ドイツ大会では初戦で負けてチームがバラバラになった。そういうことを経験している選手(遠藤)がいるので大丈夫だろう。ギリシャは堅守速攻と言われているが、コロンビア戦を見ても守備はそれほど堅くない。攻撃は左サイドのサマラスからFWのミトログルやゲカスに合わせてくる。速さがあるので要注意だが、十分に勝機はある。

続きを表示

2014年6月16日のニュース