×

「この4年間は何だったんだ」大久保理想と程遠いチーム嘆く

[ 2014年6月16日 06:28 ]

<日本・コートジボワール>後半、シュートを放つ大久保(手前はジェルビーニョ)

W杯1次リーグC組 日本1―2コートジボワール

(6月14日 レシフェ)
 スーパーサブとして起用された大久保はやるせない思いをぶちまけた。主導権を握るサッカーを掲げたはずが、現実は理想とは180度違う展開。「ピッチに入った時に4年前の戦い方と同じだと思った。ボールを持っても味方がいない。これまでの3試合とは全く別のチーム。この4年間は何だったんだという感じ」と嘆いた。逆転された直後、1―2の後半22分から大迫に代わり1トップで途中出場。後半29分からは左MFでプレーしたが、流れを変えられなかった。

 ドタバタ劇の末の出場だった。1点リードの後半15分にザッケローニ監督に呼ばれて1度はユニホームを着たが、指揮官の気が変わり交代は保留。後半19分に同点に追いつかれた直後に出場準備に入ったが、21分にも失点したため、ピッチに立ったのはリードを許した後だった。前線でボールを受けてもサポートが少なく孤立。鋭い動きだしで相手の背後を突いてもパスは出て来ない。後半35分に放った右足シュートが唯一の見せ場だった。

 10年W杯南アフリカ大会は主力として16強入りに貢献したが、引いてカウンターを仕掛ける守備的戦術は攻撃陣にとっては消化不良だった。今回、W杯メンバーにサプライズ選出されて約2年3カ月ぶりに代表復帰すると、5月27日キプロス戦、2日コスタリカ戦、6日ザンビア戦の親善試合3試合に出場。ボール支配率を上げるスタイルを掲げるチームになじみ、4年前との違いを実感していたが、この日は相手に押し込まれ、意図せずして守備的な戦い方を強いられた。

 だが、内容、結果ともに不本意な試合とはいえ、下を向いている時間はない。大久保は「1―1の時に出たかった」と振り返った上で、「まだ2試合あるので、全然、落ち込む必要はない」と切り替えた。「4年前と同じ」という過激な発言は、チームのポテンシャルの高さを信じているからこそ。背番号13が本音をぶつけて立て直しを図る。

 ▽南アフリカ大会での日本代表の戦術 不振のチームを立て直すため岡田監督は大会直前に守備的な戦術に転換。内田、中村、岡崎を先発から外し、システムも4―2―3―1から、DFラインの前にアンカーとして阿部を置いた超守備的な4―3―2―1に変更して臨んだ。自陣に引いて守りを固め、攻撃は急きょ1トップに転向させた本田、2列目の松井、大久保らに託す作戦で1次リーグを2勝1敗で突破。4試合戦って失点はわずか2だった。

続きを表示

2014年6月16日のニュース