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【オシムの提言1】大久保は切り札で使え!先発より効果出る「流れ変える力」

[ 2014年6月11日 10:18 ]

練習で懸命にボールを追いかける大久保(左)

 大久保はジョーカーで使え!!元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)が自宅のあるサラエボで10日、スポニチ本紙の独占インタビューに答え、注目のFW大久保嘉人(32=川崎F)の起用法について提言した。「チームを助ける選手」と評価したうえで、14日(日本時間15日)のW杯初戦コートジボワール戦では、切り札での起用をザックジャパンにアドバイスした。

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 大会初戦のコートジボワール戦へ向けて大久保の先発への期待が高まる中、6日のザンビア戦をビデオで検証したオシム氏は、切り札での起用を強く推した。

 「チームがうまく機能しない時に、スーパーサブとして使った方が効果がある。勘がすごくいいので、どこに走ればいいか知っているし、経験もある」

 2日のコスタリカ戦で大久保は右MFで先発出場し、存在感を示した。最終調整試合となったザンビア戦でも後半から出場し、前半1―2と苦しんだ日本の攻撃陣を活気づけた。アディショナルタイムには、青山のロングフィードを受けると、DFにマークされながら胸でトラップして落ち際を左足でシュート、決勝点を挙げた。得点力、勢いを考えれば、現時点で最高のストライカーともいえる。だが、90年W杯イタリア大会でユーゴスラビアを8強に導いた知将の頭には明快なイメージがあった。

 「スタメンでは点を取るだけではなく、体力的に90分間走ることも要求される」。先発1トップ候補には、ともに24歳と若くスタミナもある柿谷、大迫の2人がいる。経験豊富な32歳の力をより効果的に使うには相手も味方もフレッシュな状態の先発よりも、「苦しくなった時に入れれば、チャンスをつくって流れを変えられる。彼はチームを助ける力を持っているからだ」と力説した。

 ここ一番での嗅覚は群を抜く。03年アテネ五輪最終予選のUAE戦では、2得点を挙げ3―0で本大会の出場権獲得に大きく貢献。「技術も、動きも素晴らしく、FWに必要なものを全て持っている。相手を怖がらないし、勇気を持ってプレーできるところもいい。最高の技術(の持ち主)だ」。オシム氏は日本代表を率いていた時に2試合に招集。後任の岡田監督が率いたW杯南アフリカ大会で活躍したこともチェックしており、実力は十分に分かっている。5月12日に本大会メンバーに選出された際にも「調子のいい選手を起用するのは当然のこと。油断のならない選手で、サプライズではない」と高く評価していた。

 攻撃的なポジションなら1トップだけでなく、トップ下も、右サイドもどこでもできる。1次リーグ突破の鍵を握る男であるのは間違いない。加えて、大久保が出ればスタンドの日本サポーターが活気づき、チーム全体に勢いが増す。「監督はサポーターの好みに応えたいという気持ちもある」。後半勝負の時間帯。背番号13こそ攻撃のスイッチを入れるジョーカーにふさわしいと提言した。

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2014年6月11日のニュース