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日本代表 宿舎選択の基準は「自分の家のような空間」夕食後に卓球大会も

[ 2014年6月7日 17:02 ]

 2010年のワールドカップ南アフリカ大会のベースキャンプはゴルフ場のコテージだった。今回もリゾート地で、いわゆるホテルではない。南アフリカでよかったので、参考にしたのだろう。選ぶポイントは長期滞在することを考え、リラックスできるかどうかだ。

 ホテルだと一般の人も出入りするので、できるだけ選手、スタッフだけで過ごせる環境が保てるところを探す。いわば「自分の家のような空間」が必要だ。

 ワールドカップ期間中は、たいてい午前7~8時ごろ起きて各自で朝食をとり、午前9時ごろから練習。昼食後はフリーというパターンが多かった。ミーティングは、試合前は相手チームのことを選手に伝えるために夜にやることもあるが、回数はあまり多くない。

 しかし、試合直前は試合開始時間に合わせて逆算していくので、パターンが変わる。午後0時半開始の試合もあったが、そういう時は9時に軽食をとる。日本国内の合宿は午前と午後の2度練習することが多く、ワールドカップ前の方が、自由時間が多い。ただ、自由時間と行っても外出はあまりできないので、選手は部屋で読書や音楽を聴いたり、集まってわいわいやったりすることが多かった。試合と試合の間隔は4~5日ある。ハードな練習の合間にリフレッシュすることも必要だ。

 ゴルフ場だからゴルフのコースもあるし、ゴルフ練習場やパターゴルフのコースもある。休日にラウンドしていた選手もいた。食堂の横にはダーツや卓球台、ビリヤード台もあって、夕食後に選手が卓球大会をやっていた。日本からゲーム機も持ちこみ、コテージのひとつをゲームセンターのようにしていた。

 スカイプをやる選手も多い。南アフリカの宿舎はネット環境が良くなかったのでゲーム機を置いていた部屋に公衆無線LANサービスWiFi(ワイファイ)を置いて、みんなで使っていた。大木コーチが家族と話していた時に中沢や内田が“特別出演”して盛り上がっていたが、そうやってみんなで集まれる場所があるのも、チームにとっては必要なこと。今回もブラジルで選手たちはし合いへ向けてそういう過ごし方をしているはずだ。(元日本代表コーチ 小倉勉)

 ◆小倉勉(おぐら・つとむ)1966年(昭41)7月18日生まれ、大阪府出身の47歳。天理大卒業後に渡独し、ブレーメンのユースなどを指導。帰国後、92年から市原(現J2千葉)で育成部やトップチームのコーチ、強化スタッフなどを歴任した。06年からイビチャ・オシム監督、08年からは岡田武史監督の下で日本代表コーチを務め、10年W杯南アフリカ大会で16強入り。12年ロンドン五輪では関塚隆監督の下でコーチを務めて4強入りを支えた。五輪後の12年9月からJ1大宮でコーチ、テクニカルダイレクターを務め、13年8月から監督。14年からJ1甲府でヘッドコーチを務めている。

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2014年6月7日のニュース