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ギリシャ堅守のキーマンが警戒 日本の怖さは香川だけじゃない

[ 2014年5月30日 11:05 ]

ドルトムント時代の香川(左)と対戦したブレーメン時代のパパスタソプロス(AP)

 W杯ブラジル大会1次リーグC組で、日本代表が第2戦(6月19日)で対戦するギリシャ代表のDFソクラティス・パパスタソプロス(25=ドルトムント)がスポニチのインタビューに応じた。12試合で8完封をマークした欧州予選で11試合にフル出場した堅守のキーマンは、かつてブンデスリーガで活躍したMF香川真司(25=マンチェスターU)ら日本人選手を警戒した。

 ――日本サッカーについての印象は? 

 「日本サッカーは信じられないくらいのスピードで成長しているように感じている。これは私の印象だが、日本人選手たちは欧州の移籍マーケットの中でいつも注目の的になっているような気がする。というのも、多くの欧州のクラブはわずかな額(移籍金)を使って、物凄く価値のある選手を日本から連れてきているからだ(注1)」

 ――日本代表についてどう考えているか。

 「チームを語る前に、感じるのは日本選手たちの質の高さだ。私が抱いている日本人選手の印象というのは、卓越したテクニックを持っていて、どんな試合でもまるでその試合に人生をかけているかのように常に全力で走っており、戦術をしっかりと理解した上でプレーしようと心がけているよう感じられるね」

 ――日本代表について知っていることは。

 「これから細かい分析をすることになると思うが、注目すべきはアジアでの成績だろう。ただ、先ほど話したような選手の集まりである日本代表がW杯アジア予選をあっさりと勝ち抜いてきたのは偶然であるはずがないと言える。アジアでトップチームとして勝ち上がってくるだけの高いクオリティーを兼ね備えたチームだということだろう」

 ――日本代表の中で警戒しているのは?

 「僕はドルトムントの選手だから、警戒する選手を挙げろと言われれば、香川になるだろうね(注2)。同じリーグにいたので、彼がドルトムントで披露した活躍とそのプレーについてはしっかりと見てきた。ドルトムントのファンの間では、いまだに香川のことが語られているよ。彼はそれほどの多くの人たちを興奮させるだけの能力を持っている選手だということだろうね。しかしながら、香川だけを警戒していては、僕らは痛い目を見るだろうね。先ほども話したように、日本人選手の特長は素晴らしいものだから」

 ――1次リーグでギリシャ代表が突破する可能性については。

 「このグループについては勝ち上がりが確実視されるような強豪チームがいない代わりに、勝ち点を計算できるような弱小チームもいないという、拮抗(きっこう)したグループだと感じている。日本ももちろんそうだ。簡単に勝てる相手ではない。しかしながら、もし我々のチームで決勝トーナメントに進むことを望んでいない選手がいたとしたら、その選手は国を代表する選手として最悪だと言っても良い。それくらい、我々は(1次リーグ突破に)自信を持っているよ」

 ▽注1=MF本田(名古屋→VVVフェンロ)、FW岡崎(清水→シュツットガルト)ら、契約満了後に移籍金ゼロで欧州に渡る日本人選手は多い。またC大阪からドルトムントに移籍したMF香川の移籍金は35万ユーロ(当時レートで約4200万円)といわれる。

 ▽注2=パパスタソプロスは13年にドルトムント加入。香川は12年にドルトムントを退団したため一緒にはプレーしていない。ブンデスリーガでは11~12年にかぶっているが、直接対決は一度だけ(12年3月17日ドルトムント1―0ブレーメン)。この日が23歳誕生日だった香川は、フル出場したパパスタソプロスから前半8分に頭で決勝点を奪った。

 ◆ソクラティス・パパスタソプロス 1988年6月9日、ギリシャ生まれの25歳。05年に母国のAEKアテネでプロデビュー。08年からジェノアで活躍し、10年ACミラン入りするも出番に恵まれず、11年ブレーメン移籍。13年ドルトムントに加入した。代表デビューは08年で10年W杯、12年欧州選手権出場。国際Aマッチ通算46試合無得点。1メートル85、85キロ。利き足は右。愛称は「パパ」。

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2014年5月30日のニュース