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本田 澤になる!CKニア勝負のなでしこ黄金パターン

[ 2014年5月27日 05:30 ]

笑顔を見せる(左から)本田、森重、長友、大久保、香川

キリンチャレンジカップ2014 日本―キプロス

(5月27日 埼玉)
 王様がCKからもゴールを狙う。W杯に出場する日本代表は27日、埼玉スタジアムでの壮行試合でキプロス代表と対戦する。26日は試合会場で公式練習を行い、本田圭佑(27=ACミラン)は居残りで遠藤保仁(34=G大阪)のCKに合わせる新得点パターンを練習。過去6試合5得点と縁起の良いスタジアムで今季の不振を払しょくするゴールを決め、チームを加速させる。

 照明に照らされた汗が輝く中、いつもと違った光景が埼玉スタジアムのピッチにあった。遠藤のCKに本田がニアサイドへ走り込んで頭で合わせた。シュートは枠を捉えることはなかったが、そのセットプレーの確認は過去の最終調整では見られなかったものだった。

 仮想ギリシャとなるキプロス戦。練習を終えた本田は、報道陣に「お疲れさまです」と話しただけで、練習の意図などは明かさなかった。だが、守備を固めてくることが予想される相手には、先発起用が予想されるトップ下からゴールを狙うだけでなく、セットプレーが貴重な得点源になるのは間違いない。

 本田は国際Aマッチ53試合で20得点。直接FKをねじ込むことはあってもFKやCKに合わせたゴールはない。だが1メートル82と身長は低くなく、今季移籍したACミランでは左からのCKの際にはゴール前にポジションを取り、得点源として期待されている。20得点中、遠藤からは最多の3アシストで、互いを熟知しているのも強みだ。なでしこジャパンの澤穂希(INAC神戸)が女子アジア杯準決勝の中国戦で決めたようなGKとDFの鼻先で合わせるヘディング弾は、W杯直前で新たな得点パターンとなり得る可能性を秘めている。

 セットプレーの確認が終わると、香川、長友との“トップ3会談”で最終チェックも行った。ACミランではトップ下での出場機会が少なく、思うようなプレーができずにフラストレーションをためたままシーズンを終えた。それでも、結果が出せなかった4カ月半がW杯に生かされるかと聞かれると「もちろん。それは右(MF)をやったことも生きるだろうし、できなかった悔しさも。全てを生かすつもりです」と話していたように、既に気持ちはW杯モードに切り替わっている。

 過去4大会、壮行試合と位置付けられた試合では勝ち星がない。だが「目標はW杯優勝」と公言する男にとって、これぐらいの歴史が変えられないはずがない。新たな武器でキプロスゴールをこじ開け、目標に掲げる頂点まで一気に駆け上がる。

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2014年5月27日のニュース