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なでしこ 決勝も攻める!初Vへ勝負布陣、宮間はトップ下

[ 2014年5月25日 05:30 ]

決勝のオーストラリア戦に向け、PKの練習をする宮間。奥は左から澤、有吉、岩清水、川澄

女子アジア杯決勝 日本―オーストラリア

(5月25日 ベトナム・ホーチミン)
 初のアジア制覇を狙うなでしこジャパンは25日、ベトナムのホーチミンで行われる女子アジア杯決勝でオーストラリアと対戦する。日本は1次リーグ初戦で引き分けに終わった難敵に対し、主将のMF宮間あや(29=岡山湯郷)をトップ下に置く4―2―3―1で臨む。試合開始からこの布陣で臨むのは08年の佐々木則夫監督(56)就任以来初めて。宮間を2列目に置く攻撃的スタイルで、悲願のタイトルを目指す。

 悲願の優勝へ、なでしこが勝負手を打つ。24日の練習で行った最後の紅白戦。佐々木監督が選んだシステムは慣れ親しんだ4―4―2ではなく4―2―3―1だった。ボランチやサイドで起用していた宮間を司令塔に置く、いわば“宮間システム”。宮間は「相手のバランスを崩した時、自分たちのバランスが崩れた時がチャンスと思う。バランスを保ちすぎないようにしたい」と独特の言い回しで決意を示した。

 4―2―3―1は“奇跡”を呼び込んだ布陣だ。22日の中国との準決勝。4―4―2で開始したが、中央にスペースが空き、逆にカウンターを受ける展開だった。しかし、後半から新布陣を採用すると、攻守のバランスが安定。延長戦の末の劇的勝利につながった。今大会、エース大儀見(チェルシー)がクラブの都合で途中離脱を余儀なくされるなど苦しい台所事情の中で、やっと見つかった勝負の布陣。試合開始から採用すれば佐々木監督が就任した08年以来初めてとなる。鍵を握る宮間は「ピッチで表現したい」と決意を込めた。

 新システムで過去の呪縛も振り払う。なでしこは11年W杯ドイツ大会で優勝し、12年ロンドン五輪では銀メダルを獲得。パスワークを駆使したスタイルで世界の女子サッカーをリードする立場となったが、アジア杯のタイトルを獲ったことはない。過去4大会連続で準決勝敗退だった日本は今回“鬼門”を突破したが、決勝の舞台も過去に4度挑戦して4連敗。最後の関門を前に、指揮官は「ジンクスを選手とともに破っていきたい」と訴え、主将の宮間も「名実ともにアジアNo・1になるには欠かせないタイトルだと思っているので、ぜひアジア杯で優勝したい」と誓った。世界を制したなでしこが取り忘れていたタイトルに挑む。

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