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【川本治氏が語る代表選出2】ラストピースは青山か、憲剛外れ残念

[ 2014年5月12日 17:49 ]

笑顔でW杯への意気込みを語るG大阪・遠藤。右は今野

 ザッケローニ監督がメンバー発表前最後の試合で広島に足を運んだのは、MF青山敏弘(28=広島)をチェックするためだったのだろう。

 日本代表のボランチはMF遠藤保仁(34=G大阪)とMF長谷部誠(30=ニュルンベルク)がコンビを組んできたが、遠藤は攻撃はいいが守備に難があり、長谷部はけが明けの上に守備中心の選手。MF山口蛍(23=C大阪)は順調に成長しているが、まだA代表での経験が少ない上に修羅場もくぐっていない。青山は攻撃的なセンスがある。広島のJリーグ連覇に貢献しているし、守備力もある。長いパスも出せるし、自ら攻め上がってゴールを決めることもできる。ザッケローニ監督の中では誰を選ぶのか、もうほとんどが決まっていて、ラストピースが青山だったのではないかと考える。

 FW斎藤学(24=横浜)は現在、絶不調だが、相手のDFを前にして勝負にいける数少ない選手の1人だ。ザッケローニ監督は、2年前のロンドン五輪を見てから評価していたのだろう。今は不調でも、今後1カ月しっかり調整して、試合の残り何分かという場面で1回トライして1点に結びつける。そんな決定的な仕事を期待しての選出だろう。

 今回のメンバーは、FW登録の選手が8人とたくさんいる。だが、実際にW杯本大会が始まってみれば「0トップ」になるかもしれない。FW岡崎慎司(28=マインツ)はおそらく真ん中でプレーすることはないはずで、右MFで確定と見る。FW大迫勇也(23=1860ミュンヘン)は海外に移籍して図太くなったが、本番でどこまでやれるか、不安は残る。

 残念なのは、MF中村憲剛(33=川崎F)がメンバーから外れたこと。彼は入れるべきだった。今回メンバー入りしたFW大久保嘉人(31=川崎F)とのコンビは本当にいい。大久保の昨年から今年にかけてのチームでの活躍はまさに「憲剛あっての嘉人」で、中村なくして今の大久保はない。2人はセットで入れて欲しかった。

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