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本田 待望トップ下も…前半で交代、チームは逆転負け

[ 2014年5月12日 05:30 ]

<ACミラン・アタランタ>ボールをキープする本田

セリエA ACミラン1―2アタランタ

(5月11日)
 ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は11日、先発では1月19日のベローナ戦以来となるトップ下で2試合ぶりの出場を果たしたが、前半45分間だけで交代した。12日にはW杯ブラジル大会に向けた代表メンバー23人が発表。選出が確実な本田だが“前祝い”とはならなかった。チームも1―2で逆転負けを喫し、来季の欧州リーグ出場は厳しくなった。

 屈辱だった。自ら「トップ下のDNAを持っている。自分の家のように居心地が良い」と明かす天職のポジションで、本田はチームを活性化させることができなかった。見せ場は前半44分、セットプレーの流れから前線に残っていたDFラミの右クロスに頭で合わせたシーンのみ。後半開始からFWエルシャーラウィとの交代を命じられた。

 期するものがあったはずだ。前節インテル・ミラノ戦は出番がなく、長友との“ミラノ・ダービー”が実現しなかった。ベンチから戦況を見守っただけで、試合後はピッチで40分間のダッシュを繰り返した。フラストレーションを抱えていた中で迎えた好機。だが、チームは開始からエンジンが掛からず、15分すぎから本田経由でパスが回り始めても、肝心のゴール前で全体の運動量が上がらなかった。本田も相手の急所を突くような決定機を演出できなかった。

 試合後、シードルフ監督は本田に関し「練習で準備していたようなプレーができなかった。中盤の3枚が常に張り付いて利用するスペースを消されていた。バランスは取れていたが代えざるを得なかった」とし「これは2ボランチで来ると思っていた自分が責任を負う」と擁護した。だが、試合を中継した衛星放送スカイではハーフタイム中にガリアーニ副会長が、息子の「なぜ本田を使うのか?」という質問に対して「シードルフの頭がおかしいからだ」と返答したとされる映像を放送した。唇の動きを読んだと見られ、指揮官は「起用法についてはガリアーニに説明したから問題ない」と平静を装ったが、クラブ内部の不協和音に加え、本田に対する厳しい評価もうかがわせた。

 12日にはW杯メンバーが発表される。司令塔として迎える今大会では大車輪の活躍が求められる中、状況は決して良くはない。だが、3月には自身の公式サイトでこうつづっていた。「相変わらず山あり谷ありの人生を歩んでいる。これから更にパワーアップするために新たな壁と向き合っている状況ですが、常に楽しんでいます」。逆境でも自分を見失うことはない。カルチョの国で味わった悔しさは、ブラジルの地で晴らすしかない。

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2014年5月12日のニュース