大久保　Ｗ杯“ジョーカー枠”でも出たい「今は本当に調子いい」

逆転でのＷ杯メンバー入りを目指す川崎ＦのＦＷ大久保

　逆転でのＷ杯メンバー入りを目指す川崎ＦのＦＷ大久保嘉人（３１）が１０日、ザックジャパンの“ジョーカー枠”を狙う方針を打ち出した。先発へのこだわりを捨て、チームの駒に徹することを明言。１２年２月２４日のアイスランド戦を最後に代表から遠ざかる中、２大会連続のＷ杯出場に向け、１１日のホーム柏戦から最後のアピールに挑む。

　先発へのこだわりはない。大久保が１１日の柏戦に向けた前日練習後に、Ｗ杯ブラジル大会への熱い思いを激白。逆転でのメンバー入りに向け「今は本当に調子が良いので、スタメンじゃなくてもいいからＷ杯に出たい。今なら途中から流れを変える役割もできる」と訴えた。１０年Ｗ杯南アフリカ大会では全４試合に先発して１６強入りに貢献したが、先発が固定されつつあるザックジャパンの事情も考慮。途中出場のジョーカー枠を狙う。

　７～９日に行われた日本代表候補合宿の招集は見送られたが、日本協会関係者によると、佐藤、闘莉王、中沢、中村憲らとともに大枠５５人のリスト内に名前はある。欧州組視察のため、この日に離日したザッケローニ監督は「（ベテラン組が）必要になった時にどれくらい力を貸してくれるか十分に把握している。常連メンバーより力を貸してくれると思ったら、彼らを再招集する」と明言して機上の人となった。

　大久保は２６得点でリーグ得点王に輝いた昨季に続き、今季も得点ランク首位タイに立つなど好調を持続。ジョーカー候補にはハーフナー、南野、斎藤、乾らがいるが、センターＦＷや２列目と攻撃的な位置ならどこでもこなせる強みもある。ジーコジャパン時代にも主に途中出場で流れを変える役割を担っており、経験値、爆発力も魅力だ。

　Ｗ杯メンバー発表は５月１２日。それまでに川崎Ｆで残された試合は最大９試合で「本当にＷ杯に出たい。調子が良くないならこんな気持ちになっていないと思う。出た試合で点を取り続けるだけ」とアピールを誓う。柏戦はリーグ初先発となる安柄俊（アンビョンジュン）と２トップを組むことが濃厚。小林、森島、大島ら故障者続出のチームを救い、ザッケローニ監督を振り向かせる。