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リトルなでしこ6戦全勝23発 ぶっちぎり世界一!杉田MVP

[ 2014年4月6日 05:30 ]

<日本・スペイン>U―17女子W杯で初優勝し、yprplp部杉田(中央)ら日本イレブン

U―17女子W杯・決勝 日本2―0スペイン

(4月4日 コスタリカ・サンホセ)
 リトルなでしこが、大輪の花を咲かせた。日本は決勝でスペインを2―0で破り、初優勝を飾った。世代別を含めたFIFA主催大会では11年女子W杯に続き2度目となる世界制覇。主将のMF杉田妃和(17=静岡・藤枝順心)が大会MVPの「ゴールデンボール賞」に選出され、20年東京五輪のエース候補として名乗りを上げた。日本はフェアプレー賞とGK松本真未子(16=浦和ユース)のゴールデングローブ賞を合わせて4冠を達成した。

 両手で優勝トロフィーを掲げた杉田の前に、夢の光景が広がっていた。前が見えなくなるほどの紙吹雪が舞い、コスタリカの夜空に無数の花火が豪快に打ち上げられた。「とてもうれしい。夢のようで実感がない。ここ(優勝)を目標にしてきたが、実際にここまで来られたことは驚きでした」。世界一のチームを率いた主将として万感の思いがこみ上げた。

 大会MVPの「ゴールデンボール賞」を受賞し、U―17世代屈指のプレーメーカーとして認められた。日本人の世界大会での最優秀選手は、08年U―17女子W杯の岩渕(ホッフェンハイム)、11年女子W杯のMF澤(INAC神戸)に続き3人目。世界の強豪に比べて体格で劣る日本だが、優れた技術を生かしたパスワークで今大会6試合23得点1失点と圧巻の内容で全勝した。ダブルボランチの一角で攻守の要となった杉田は、チームの象徴だった。決勝は無得点に終わったが、チーム最多の5得点を記録。優勝の立役者となった。

 最年少で出場した前回の12年大会とは立場が違った。主将として、8強に終わった先輩のリベンジを果たす舞台だった。キャプテンシーを日頃から養うため藤枝順心高でも主将を務めた。攻守の切り替えの速さが持ち味の同校では、日頃のシャトルランで汗を流し心肺機能が高まった。「足元のテクニックに加え、運動量と局面の強さが出てきて頼もしくなった」と高倉監督。同校の多々良監督は「杉田はずっとキャプテンとして頑張ってきた。凄いことを成し遂げてくれた」と目を細めた。

 20年には東京五輪が待っている。まばゆい輝きを放った杉田は6年後のエースとしても期待がかかる。「この結果で満足したら次の進歩はない。これをスタートとして努力し、上を目指すことでさらに次の代表カテゴリーにも入っていけると思う」。リトルなでしこの快進撃を支えたスーパーエースが、停滞感の漂うなでしこジャパンの未来を明るく照らした。

 ◆杉田 妃和(すぎた・ひな)1997年(平9)1月31日、北九州市生まれの17歳。小2から地元・福岡の二島FCでサッカーを始め、中1からFCグローバルに所属。藤枝順心では今年の全日本女子高校選手権準優勝を果たした。日本代表では13年のU―16アジア女子選手権でも主将として優勝に貢献し、大会MVPに。代表での背番号は10。1メートル61、53キロ。血液型O。

 ▼日本サッカー協会大仁邦弥会長 全員で攻め、全員で守る日本らしいサッカーができた。初めての女性監督で世界を制したことは、日本の指導者にとって大きな自信になる。(現地で観戦)

 ▼日本サッカー協会原博実専務理事 高倉監督は昨年もアジアで勝っているしね。なでしこリーグのチームに入ってもすぐに試合に出られるわけではないので、どうつなげていくか。

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