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かみつき騒動から1年…リバプールV争いの立役者、改心劇 

[ 2014年3月18日 07:27 ]

プレミアリーグのシーズン平均得点1位はリバプールのスアレス

プレミアリーグ・第30節 リバプール3―0マンチェスター・ユナイテッド

(3月16日)
 リバプールのウルグアイ代表FWルイス・スアレス(27)がマンチェスターUに“引導”を渡した。16日、敵地でのナショナルダービーで前半34分に先制点につながるPKを獲得し、後半39分には得点ランク1位の25ゴール目となるダメ押し点を決めて3―0の快勝に貢献した。チームは5連勝で暫定2位をキープ。一方、日本代表MF香川真司(25)がベンチで出番がなかったマンチェスターUは、来季の欧州CL出場権獲得(4位以上)が絶望的となった。

 ナショナルダービーの大一番で、宿敵の息の根を止める一発だった。2点リードの後半39分、リバプールのエースFWスアレスは鋭い飛び出しからスルーパスを受けると、冷静に左足でダメ押しゴール。「偉大な勝利。本当にハッピーだ。まだまだ戦い続けるよ!」と自身のツイッターに歓喜の言葉を記した。

 悪童が優等生に変身した。昨年4月のチェルシー戦で相手DFイバノビッチの腕にかみつき今季の開幕6試合を含む10試合の出場停止。オフにはメディアを通じて移籍を志願する騒動を起こした。しかし、今月にフランスのテレビ局カナル・プリュスのインタビューで「自分の言動について学んだ」とした上で「本当の自分はシャイで臆病。悪魔というより天使だと思う」と発言。イングランド代表も指導するスポーツ心理学のピータース医師の指導を受けるなど、ピッチで悪魔の一面を出さないよう努力してきた結果、警告(イエローカード)は昨季の10枚から今季は4枚まで激減した。

 この日も激しいタックルを何度も受けながら、最後まで冷静さを失わなかった。ロジャース監督が「ルイスはより成熟した」と評するように、メンタル面の成長はゴール量産にもつながっている。出場停止が明けた昨年10月の第7節クリスタルパレス戦の今季1号を皮切りに、24試合で25得点を挙げて得点王争いを独走中。現在の1試合平均得点1・04は、C・ロナウドやドログバを上回ってプレミアリーグ歴代1位の超ハイペースだ。
 
 マンチェスターUのイングランド代表FWルーニーも「スアレスは、メッシ(バルセロナ)とC・ロナウド(Rマドリード)に並ぶ世界最高の選手の一人」と脱帽。得点ランク2位(18点)のイングランド代表FWスターリッジとのリーグ最強2トップが近年低迷していた名門を優勝争いに押し上げている。89~90年以来のリーグ制覇と自身初の得点王を手土産にウルグアイ代表としてW杯ブラジル大会に臨むのが最高のシナリオだ。

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